PayPayは8月26日、2024年9月以降に、学校法人 私立開成学園(開成高等学校)の食堂(運営会社:トラスティフード)において導入されるモバイル注文ウェブアプリ「学食ネット」で、決済方法に「PayPay」が採用されることを発表した。
学食ネットについて、開成高等学校に在籍する3年生および2年生の2名の生徒が、食堂における食券機に並ぶ列の混雑を課題解決に向けて、自ら企画提案、開発までを担当。PayPayが開発者向けに公開している「Open Payment API (Application Programming Inrterface)」を活用して、PayPayの導入を実現したものという。
私立開成学園は併設混合型中高一貫校で、在校生徒数は延べ2000名を超えているという。そのため、昼食時には多くの生徒が食券機に並んで食券を購入する必要があり、食事する時間が限られてしまうなどの課題があったとしている。
生徒自身が実施したシステム導入に向けた事前のアンケート調査においても、約6割の生徒が食券機の待ち時間が長く利用を諦めたことがあり、半数以上が食べる時間が足りず急いで食事をしたことがあると回答。食券機の待ち時間に多くの生徒が不便を感じていることが判明したという。加えて食堂会社においても、列の混雑による機会損失のリスクを感じているとし、課題を解決すべくモバイル注文ウェブアプリの導入を決定したという。
事前に注文し決済まで完了するモバイル注文ウェブアプリを食堂に導入することにより、休み時間に昼食メニューを選んで好きな時間に昼食を受け取ることが可能。そのため、利用時間の分散および食券機に並ぶ混雑の緩和が期待されるという。また、アンケート調査によると、回答した生徒の7割がPayPayを利用していたこと、PayPayが開発者向けにOpen Payment APIを公開しているということを踏まえ、PayPayが導入されたとしている。
PayPayではこれまでも、10代を中心とする若年層のユーザー獲得に向けた取り組みに注力。2024年度からは全国の学園祭(文化祭)や、学校における部活動費、給食費、教材費などへのPayPayの導入を本格始動。2023年度の3倍以上のペースで学校関係者から問い合わせがあるという。
こうした取り組みの結果、10歳から18歳までのユーザー数は、2024年6月末時点で前年同期比約3割増と大きく伸長したという。その一方で、こうした若年層ユーザーの獲得には依然として大きな成長余地があるとしており、今後も学校を中心とする現金が主である決済シーンに対してPayPayの導入を加速させ、日本のキャッシュレス化を推進していくとしている。
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