ポンプメーカーが作った普段使いのポータブル電源--バッテリーと発電機の技術を融合

 ポンプや発電機などを手掛ける工進は8月20日、ポータブル電源を発売すると発表した。「身近な普段使い」をコンセプトに長期使用と買い求めやすい価格を打ち出す。販売開始するのは、600Wの「BPS-6L」(税込価格:5万9800円)と、1200Wの「BPS-12L」(同:12万8000円)の2モデル。いずれも9月2日に販売を開始する。

600Wの「BPS-6L」(前列)と、1200Wの「BPS-12L」(後列)
600Wの「BPS-6L」(前列)と、1200Wの「BPS-12L」(後列)

 工進は、1948年に創立。京都府長岡京市に本社を構え、灯油ポンプや水中ポンプなどの開発、製造などで知られる。「ポンプなどの工業製品の取り扱いから始め、園芸商品を数多く扱ってきた。2011年には自社ブランドのエンジンを開発、それをいかし除雪機や発電機の製造、販売を開始し、2017年からは高圧洗浄機やチェーンソーなど、バッテリーを使った商品も展開している。今回発表したポータブル電源は、バッテリー製品を作る技術と発電機の制御技術を融合したもの。約3年半をかけて開発した」(工進 国内営業部の高井健次氏)と背景を話した。

工進 国内営業部の高井健次氏
工進 国内営業部の高井健次氏

 両機種ともにリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載し、約4000回の充放電サイクルを実現。毎日使っても10年間使える計算になる。冷蔵庫、電子レンジなど普段からポータブル電源を接続してもバッテリーを消耗させずに給電ができる「パススルー機能」と停電等給電が途切れた場合0.03秒未満で、ポータブル電源からの給電に自動で切り替える「EPS機能」を備え、停電時の給電を確保する。

 本体は約2時間の急速充電ができ、電化製品を電源コードが届かない場合の電源タップ代わりにも使用が可能。充電の際に使用するACアダプター機能は、本体に内蔵しているため、場所を取らずに使える。

 サイズはBPS-6Lが高さ246mm×幅205mm×奥行き300mmで、重量約9.4kg。BPS-12Lが高さ288mm×幅236mm×奥行き431mmで、重量約17.5kg。ACコンセントを3個(BPS-6Lは2個)、USB Type-Aが2個(BPS-6Lは3個)、USB Type-C(60W)が1個、シガーソケットが1個、BPS-12LのみUSB Type-C(100W)が1個つく。

端子類は本体サイドに配置している 端子類は本体サイドに配置している
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 「ポータブル電源はアウトドアと防災がキーワードになっており、常に売れる商品ではない。また価格も高額で手が届きにくいと思っている。では、どうしたら普段使いをしていただけるのかを追求し、まずデザインから考えた。工進は京都に拠点があるので、和のデザインを取り入れた。加えて、違和感なく部屋におけるように、前面のコンセントやUSB端子をなくし、シンプルに仕上げた」(高井氏)とコンセプトを説明する。

 今回のポータブル電源発表とともに、工進では、SB C&Sと販売代理店契約を結んだことも発表。SB C&Sは工進によるポータブル電源製品を、9月2日から大手家電販売店、ソフトバンクのオンラインショップ「トレテク!ソフトバンクセレクション」などで順次販売を開始する。

会場では、2025年1月発売予定の1800Wインバーター発電機と2400Wのポータブル電源も披露された
会場では、2025年1月発売予定の1800Wインバーター発電機と2400Wのポータブル電源も披露された
プレスリリース

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