ソフトウェア開発の分野では、どの企業も自社製品に人工知能(AI)を導入したいと考えているようだ。AIは大きな力をもたらすため、これは一部の人々にとっては素晴らしいことだ。
しかし、他の人々にとって、AIはそれほどありがたいものではない。これは、特にクリエイティブなタイプの人々(筆者もそうだ)に当てはまる。筆者は何十年も作家として活動してきたが、長く自分を定義してきた創造的な取り組みがAIに取って代わられることに、かつてないほどの不安を感じている。だからこそ、クリエイティブな人々向けのアプリを開発する企業がAIを導入しないと断言すれば、注目せざるを得ない。
そのアプリは「Procreate」という、「iPad OS」向けのイラスト作成アプリだ。
Procreateを提供するSavage Interactiveの最高経営責任者(CEO)、James Cuda氏は公式声明で、同社は決してそのような方向には進まないと述べ、創造性は生成されるものではなく、作り出されるものだと主張した。同社は「生成AIは人々の創作力を奪略しています。盗作を軸に学習する生成AIのテクノロジーは、私たちを不毛な未来へと導いています。機械学習にはたくさんのメリットがありますが、Procreateの未来には生成AIはないと判断しました」とまで述べている。
同氏の意見は間違っていない。
同氏はソーシャルメディア「X」に動画も投稿し、生成AIに対する自身の意見を明言した。
筆者はCuda氏に「ブラボー」と言いたい。この問題について同社の姿勢に倣う企業がもっと増えるべきだ。そうでなければ、AIがクリエイティブな仕事の心と魂を奪ってしまうだろう。
AIに対する姿勢を受け、ユーザーは同社を称賛している。Procreateアプリはわずか12.99ドル(日本では2000円)であり、他のアプリ開発者のようにサブスクリプションベースのモデルに切り替えてはいない。このアプリには、アニメーション作成支援機能や、完璧な形を描ける「QuickShape」など、購入する価値のある機能が数多く搭載されている。
搭載されていないのは、クリエイティブな作業を省くための生成AIだ。
Procreateのウェブサイトに掲載された声明この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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