ソフトバンクは8月6日、2025年3月期第1四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比で7%増の1兆5357億円、営業利益は同23%増の3039億円、純利益は同11%増の1625億円となり、全セグメントで増収増益を達成した。
携帯料金の値下げによる減収が底を打ち、増収が継続していることや、想定より早いPayPayの黒字化が業績に寄与した。PayPayの黒字化でファイナンス事業の売上高は631億円、利益は57億円となった。同社で代表取締役 社長執行役員 兼 CEOを務める宮川潤一氏は「PayPayは今後の収益の柱として大変期待できる」と語った。
PayPayの黒字化で気になるのがPayPayの上場だ。宮川社長はこれまでも黒字化後に上場をめざすと発言してきた。
宮川社長は「IPOの期待感が高まってきたと個人的にも思うが、IPOはPayPayの取締役会が決めること」と前置きしつつ「まだまだ成長できる。急いで資金調達をする必要はない。成長してから大きなIPOをしてもらったほうが僕としても先の計画を組み立てやすい」と述べた。
日本の携帯業界では、楽天モバイルが6月に700万契約を突破したと発表。黒字化に向けて順調に契約数を伸ばしている。
こうした楽天モバイルの動向について宮川社長は「私も毎日大手キャリア4社間のMNPの動きや、我が社で推測している他キャリアさんの純増数を見ているが、春先くらいからえらい頑張って見える」と述べ、次のように続けた。
「やはり、さすが三木谷さんだと正直思っていて、創業者はどこかにエネルギーを持っているものだなと。私どもソフトバンクもいつかは来た道で、24時間365日、寝ても覚めても携帯電話の純増をどうやるかを考え続けた時期もある。そんな感じでエネルギーを集中してやられてるんだろうなと」(宮川社長)
また、「楽天は脅威か脅威じゃないかと問われれば脅威」としつつ「当社に影響はあるのかというと、ほとんどない」ともコメント。「純増がどこから湧いているのかという側面もある。僕が見ていなかったマーケットがあるのかもしれないが、キャリア同士が殴り合いをして取るようなお客さんの数だけでは見えないところに勝機があるのかもしれない」と締めくくった。
日本銀行は0.25%への利上げを発表。この影響については「いつかはゼロ金利は終わると読んでいたので、我々は借り入れの9割の固定化を済ませている。当面の影響はないが、長期化すれば借り入れの多い当社なので、事業戦略を練り直す必要が出てくる」と述べた。
また、ソフトバンクは国内でAIデータセンターの構築に力を入れている。6月7日には閉鎖したシャープの堺工場を活用してAIデータセンターを構築すると発表していた。この堺工場を活用するメリットについて宮川社長は、工場にある電源設備や冷却設備をそのまま転用できると説明。250MW規模のAIデータセンターの早期展開をめざす方針を明らかにした。
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