セキュリティベンダーのカスペルスキーは7月30日、夏季五輪を開催するパリの公衆Wi-Fiスポットについて、約25%はセキュリティが不十分であると発表した。
カスペルスキーのグローバル調査分析チーム「GReAT」(Global Research and Analysis Team、グレート)のリサーチャーが7月上旬、パリで観光客が多いエリアの公衆Wi-Fiスポット約2万5000箇所のセキュリティ強度を分析し、結果を発表している。
GReATのリサーチャーは、観光客が利用する可能性のある公衆Wi-Fiネットワークの分布図を作成。パリで人気のある凱旋門、シャンゼリゼ通り、ルーブル美術館、エッフェル塔、ノートルダム大聖堂、セーヌ川の堤防、トロカデロ広場の7つのエリアに、パリ五輪のメイン会場となるスタッド・ド・フランスを合わせた計8つのエリアで、4万7891件の信号記録を分析したという。
その後、2万4766箇所の公衆Wi-Fiアクセスポイントを特定して分析したところ、最新のセキュリティプロトコルのWPA3を使用する公衆Wi-Fiスポットは5.5%だったという。
一方で、調査したWi-Fiスポットの19.6%にあたる4864箇所のスポットが、侵害されやすい古いアルゴリズムのWPS(Wi-Fi Protected Setup)で構成。約24.6%となる6083箇所が、暗号化の強度が低い、暗号化されていない、古いプロトコル・デバイスを使用、設定が適切でないなどの状態だったという。セキュリティ上の深刻な弱点があり、犯罪者がパスワードやクレジットカード情報などの重要なユーザーデータを盗むことができるため、注意を促している。
なお、接続の際にパスワードやPINの入力が不要なオープンネットワークとなる3176箇所のほか、設定ミスや危険にさらされやすいプロトコルなどでハッキングされやすいネットワークもセキュリティが不十分と判断したとしている。
カスペルスキーでは、公衆Wi-Fiを利用しながらパリの街中を移動すると利用可能なホットスポットに頻繁に切り替って危険性を自分で判断するのは困難であり、VPNでWi-Fi接続を保護することを推奨している。
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