オリンピックの聖火台は、熱気球でパリの空を飛んでいるのだろうか。そして2週間にわたって飛び続けるのだろうか。パリオリンピックの開会式を見た人は、このような疑問を抱いたかもしれない。
簡単に説明すると、聖火台は日中は地上に置かれており、日没とともに空に浮かぶ。ただし、地面とはつながっている。
聖火台は高さ30mで、“炎”の輪は直径7m。日没から午前2時まで、地上60m以上の高さに浮き上がる。従来型の熱気球のように見えるが、実際はそうではなく、炎のように見えるものは100%電気で実現している。
通常、聖火台はオリンピックのメインスタジアムに設置され、大会期間中、地上で炎を明るく燃やし続ける。しかし、パリの式典は多くの点で異なっていた。選手らはスタジアムに歩いて入場するのではなく、セーヌ川を下る船で移動した。
聖火は、フランス人選手や他国の選手らが手渡しでリレーし、有名なルーブル美術館近くのチュイルリー公園まで運んだ。
「聖火台の点火は、常に大会の目玉となる。なぜなら、それは大会の開始を告げるからだ」と、2024年パリ大会組織委員会のTony Estanguet会長は声明で述べた。「空飛ぶ聖火台によって、大胆、創造、革新、そして時には狂気!という、パリ2024大会のDNAの中心にあるフランスの精神に敬意を表したい」
100%電気による“炎”は燃料を一切使用しない。炎のような輪は、200の高圧噴霧ノズルが作り出す霧を、40個のLEDスポットライトで照らしたものだ。
「EDF(フランス政府所有の電力会社)の技術革新により、2024年パリ大会の聖火台は、初めて100%電気の炎で輝くことになる」と、EDFの会長兼最高経営責任者(CEO)であるLuc Remont氏は述べた。「この『電力革命』は、当社のチームとデザイナーのMathieu Lehanneur氏による多大な努力によって可能となった。その創造性と革新的な力が、化石燃料を燃やさない炎、水と光でできた炎をデザインすることを可能にした。未来は電気であり、EDFのチームは、パリ2024大会をより持続可能で責任ある大会にする一助となり、歴史を作ったことを誇りに思う」
パリオリンピックは8月11日まで開催される。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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