NTT東日本とNTT西日本は7月19日、「紙のタウンページ」と「番号案内」(104番)の提供を2026年3月末で終了すると発表した。インターネットの普及に伴い「役目を終えた」と両社は説明しているが、実際のところどれくらい利用されていたのか。
そもそもタウンページとは、NTT東西が発行している「職業別電話帳」のことだ。日本における電話帳の歴史は古く、電話が開通した1890年に「電話加入者人名表」として提供が始まった。
その後は「電話番号簿」に改称し、「職業別電話番号簿」と、個人名も掲載する「50音別電話番号簿」に分かれた。そして、1971年には電話番号簿が電話帳に改称。職業別を「タウンページ」、50音別を「ハローページ」とする愛称も決まった。なお、ハローページはひと足早く2023年に提供を終了している。
NTT東西によると、電話帳の掲載数のピークは、記録が残っている範囲では2000年の約181万件だった。その後、インターネット検索が普及し、2023年にはピーク時より94%少ない約11万件となった。なお、利用が低迷している2023年でも、電話帳はNTT東西の紙の使用量の77%を占めており、廃止によって環境負荷低減が見込める。
続いて104番について。104番とは、104番にダイヤルし、氏名や企業名と住所を伝えると、該当する電話番号を案内してくれるサービスだ。料金は1案内あたり66〜165円で、24時間365日利用できる。
この番号案内サービスも1890年の電話開通と同時に始まった。当初の加入者数は197だった。1953年には市内番号案内が104番に、市街番号案内が105番に分かれた。1986年にはコンピューターでの案内業務を開始し、1989年には全国の電話番号を104番で案内するようになった。
NTT東西によると、104番の利用ピークはバブル経済真っ只中の1989年で、利用回数は約12億8000万回だった。その後は減少を続け、2023年には1600万回となった。率にして99%の減少となる。
なお、タウンページという名称が消えるわけではない。インターネット上で電話番号を検索できる「iタウンページ」は2024年秋にリニューアルを予定しており、より使い勝手の良いサービスに生まれ変わるという。
また、「点字電話帳」や、障害者向けに電話番号を音声で案内する「ふれあい案内」は提供を今後も提供を継続するとしている。
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