サーマルカメラ搭載の頑丈スマホ、Blackview「BL9000 Pro」レビュー

Adrian Kingsley-Hughes (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2024年07月04日 07時30分

 筆者は、2018年に「Blackview BV9000 Pro」を初めて手に入れて以来、Blackviewのスマートフォンを愛用している。巨大で重く、いたって頑丈だ。どのくらい頑丈かというと、間に合わせのハンマーとして使えるくらいだ。あるとき、実際にそう使ったことがある(スマートフォンの方は全く平気だった)。

BL9000 Pro
提供:Adrian Kingsley-Hughes/ZDNET

 この機種が本当に好きなので、最大限の信頼性を備えたデバイスが必要なときには今でも使い続けている。そのくらいだから、「BL9000 Pro」という新モデルが家に届いたときの筆者の驚きと喜びは想像していただけるだろう。

 BL9000 Proは、頑丈に作られている。エンジニア、整備士、技術者など、落としても蹴飛ばしても、何度か衝撃を受けても大丈夫なタフで壊れにくいモデルを必要とする人に適した「Android」スマートフォンだ。

Blackview BL9000 Proの技術仕様

  • ディスプレイ:6.78インチ、解像度1080×2460ピクセル、アスペクト比20:9、396ppi、リフレッシュレート120Hz
  • CPU:MediaTek「Dimensity 8020」
  • RAM/ストレージ:12GB/512GB
  • 前面カメラ:SK hynix製50メガピクセル「Hi-5022Q」、レンズ絞りf2.45
  • 背面カメラ
    - メイン:サムスン製50メガピクセル「ISOCELL GN5」、レンズ絞りf1.88
    - 長波赤外線マイクロサーマルカメラモジュール:FLIR製「Lepton 3.5」、解像度160×120ピクセル
    - 120度の超広角および最短2cmの近接撮影可能な超マクロSK hynix製「Hi-1336」:13メガピクセル、レンズ絞りf2.2
  • OS:「DokeOS 4.0」(「Android 14」ベース)
  • バッテリー:8800mAh、120W/6Aの超急速充電
  • スピーカー:Harman Kardon製「Smart-PA」デュアルスピーカー、「Harman AudioEFX」を採用
  • カラー:黒(インターステラーブラック)、金(スプレンディッドゴールド)
  • 重量:412g

 初めに言っておくと、しゃれた軽量なスマートフォンが好みなら、このスマートフォンは向いていない。BL9000 Proはレンガのようだが、ただのレンガではない。1.2mの高さから固い地面に落としても、1.5mの深さの水中に30分浸しても無事だ。凍てつくような摂氏-20度の環境でも灼熱の60度の環境でも、問題なく動作し続ける。

 しかも、画面は引っかき傷やすり傷に極めて強く、本体は一般的なスマートフォンで予想される以上の酷使にも耐える。

 このスマートフォンが、筆者には耐えられそうにない状況も耐え抜くことは間違いないと思っている。極限状況でも耐久性を発揮するよう設計されているので、想定しうるどんな環境でも、冒険の理想的なお供になってくれるだろう。

 BL9000 Proのパフォーマンスは圧倒的で、強力なプロセッサーによって保証される遅延のないスムーズなユーザーエクスペリエンスは、筆者の予想を超えていた。バッテリー持続時間も同様に優秀で、頻繁に使っても丸1日は持続し、適度な利用であれば2、3日はもつ。カバンやポケットに入れたままの待機状態なら、1カ月近くは持続する。

 ベンチマークテストの結果が好きな人もいることは分かっているので、BL9000 Proに対して「Geekbench 6」を実行してみた。シングルコアとマルチコアのCPUスコアはそれぞれ1117と2859、GPUスコアは4458を記録したので、パフォーマンスはサムスンの「Galaxy S21」やGoogleの「Pixel 7」に近い。

 一部の耐久性の高いスマートフォンでは、酷使したときに過熱の問題が生じていたが、BL9000 Proではまだそれを経験していない。これは、3D銅管液体冷却の技術とグラファイト/銅箔を利用してプロセッサーから熱を逃し、外部に熱を発散しているからだ。

 充電が必要になったときには、120Wの急速充電が可能だ。大容量の8800mAhバッテリーで、充電時間は0%から50%までならわずか20分、0%からのフル充電でも1時間たらずだ。このような性能とバッテリー効率が組み合わされた結果、スマートフォンに信頼性とパワーを求めるユーザーにとって、際立った選択肢になっている。

 BL9000 Proのディスプレイはクリアで明るく、薄暗い場所から直射日光下まで、いろいろな照明条件でも見やすくなっている。加えて、スピーカーもスマートフォンとしては優秀で、スピーカー通話、映画鑑賞、音楽の再生などに申し分ない。

 可視光のカメラは、前面に1つ、背面に2つの3基あり、画質は十分だ。Appleの「iPhone」やGoogleの「Pixel」シリーズで撮影した写真のようなディテールと彩度は望めないにしても、ソーシャルメディア好きやエンジニア、あるいは修理を記録したり詳細な報告書を作成したりする必要がある整備士などには適している。

自動車のタイヤとブレーキディスクの熱画像
自動車のタイヤとブレーキディスクの熱画像
提供:Adrian Kingsley-Hughes/ZDNET

 BL9000 Proはスマートフォンとして優秀だが、真に異色なのは、サーマルカメラが採用されている点だ。これが本機で最も重要な機能であり、一般にはない機能を実現している。用途がプロ向けだろうと、ほかにない機能を試したいだけだろうと、サーマルカメラこそ、BL9000 Proを魅力的な選択肢にしている飛び抜けた機能なのだ。

 FLIR製の「Lepton 3.5」サーマルセンサーは、視野が57度と広く、解像度は160×120ピクセル、温度は摂氏-10度~400度までの範囲に対応する。寝室に隠れているネコを探したり、回路基板で故障している素子を特定したりと、さまざまな用途に最適だ。誇張ではなく、サーマルカメラは診断と修理に必須であり、その重要性はマルチメーターやはんだごてと並ぶだろう。

Blackview BL9000 ProのFLIR製サーマルカメラが捉えた、稼働中の3Dプリンター Blackview BL9000 ProのFLIR製サーマルカメラが捉えた、稼働中の3Dプリンター
提供:Adrian Kingsley-Hughes/ZDNET

 筆者は日常的にいつも使っているので、自分がいかにサーマルカメラに頼っているか、忘れてしまうくらいだ。熱が見えるというのは、信じられないくらい役に立つ。先日も筆者は、車のラジエーターで詰まりを発見し、電気的な問題をたどって、オーバーヒートしているソケットを見つけた。それもすべて、ほかならぬサーマルカメラのおかげだった。

 もちろん、別売りのスマートフォン用サーマルカメラを購入することもできるが、別売りという名前のとおり別部品となるので、とかくどこかに忘れがちになるのが問題だ。スマートフォンに組み込まれていれば、必要なときいつでも使うことができる。

購入のアドバイス

 BlackviewのBL9000 Proが最終的にお勧めといえるかどうかは、ユーザーのニーズしだいだ。コンクリートの上に落とされようが、水没しようが、あるいは高温になる車のダッシュボードに置き忘れられようが平気で耐える頑丈なスマートフォンをどのくらい強く必要としているかによる。

 サーマルカメラの機能と質を考えると、価格についての評価は難しい。だが、最先端のスマートフォンを求めているなら、あるいはiPhoneユーザーなら、手持ちのスマートフォンに取り付けられる別売りのサーマルカメラを買う方がいいかもしれない。

 同じくサーマルカメラを搭載している「Cat S62 Pro」の購入を検討中なら、BL9000 Proも検討の余地があるだろう。どちらのサーマルカメラも同じものだが、BL9000 Proの方がディスプレイが大きく、プロセッサーも高速、RAM、ストレージの容量も多く、カメラ性能も高いからだ。

BL9000 Pro

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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