日産自動車は5月31日、「パートナーとの取引に関するメディア説明会」を実施した。
同社は3月7日、公正取引委員会から下請代金支払遅延等防止法(下請法)違反で勧告を受けた。しかし、その後も違反行為が続いた疑いがある旨の報道があり、長島・大野・常松法律事務所に外部調査を依頼。5人の弁護士が5月11~31日まで、見積もりやメール、関係者計37人への43回のヒアリングなどを実施したという。
説明会では、報道で言及があった企業ではないものの、下請先となるサプライヤーA社、B社の個別事案の調査結果を紹介。日産が指定する一定の減額率が記載・設定された見積書フォーマットの存在、日産としての「目標金額」を参考として伝えていることなどが明らかにされた。
長島・大野・常松法律事務所 弁護士の辺誠祐氏は「われわれ弁護士の見解としては、現時点で直ちに下請け法や、何らかの法令違反があると断定的に評価する状況ではない」と話す。ただし、あくまで日産社内関係者からのヒアリングにとどまるためサプライヤーからの話を確認する必要があること、最終的に公正取引委員会の判断になることも加えた。
日産自動車 代表執行役社長 兼 最高経営責任者 内田誠氏は、「声が上がったという事実を重く受け止めている。隅々に対してわれわれの声が届いてない、もしくはわれわれがそういったサプライヤーの困りごとをしっかり聞けていないことが、1番の問題」と話す。3月に勧告を受けたこと、また監督責任なども踏まえ、4月からの3カ月間で月次報酬の3割を自主返納することを明かした。
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