Appleが6月に開催するWorldwide Developers Conference(WWDC)で人工知能(AI)技術に関する計画を発表する際、その多くは見慣れたものに思えるかもしれない。新たな報道によると、Appleは今回、新境地の開拓よりもキャッチアップを目指し、絵文字、写真編集、メッセージ、電子メールにAIを導入する計画だという。
Bloombergの米国時間5月26日の報道によると、AppleのAIに関する計画は、ボイスメモの文字起こし、検索の高速化、音声アシスタント「Siri」のより自然な会話など、ソフトウェアの多くの部分に影響する。これらの改良の多くは「Project Greymatter」という社内の名称の下で進められており、高い処理性能を必要としない機能の多くはデバイス上で、それ以外はクラウドで実行されるという。
新しいAI機能は次期OSの「iOS 18」と「macOS 15」に搭載され、「Apple Watch」のSiriも強化されるとBloombergは報じた。
さらに、Appleが「ユーザーのメッセージに基づいて、その場でカスタム絵文字を作成する」ソフトウェアを開発中とも報じている。
Appleの担当者にコメントを求めたが、すぐに回答は得られなかった。
AppleのAI計画に関する新たな報道は、同社が競合との差を縮めるために取り組むであろうこの1年について、ヒントをもたらすものだ。OpenAIが「ChatGPT」サービスを開始してから1年半で、数億人の人々がこのサービスや同様のテクノロジーをこぞって利用した。AIのハルシネーション(幻覚)という問題があるため、このテクノロジーは必ずしも信頼できるものではないが、多くの人々は仕事中の電子メール作成支援やコーディング、さらには料理の写真からレシピを作成することまで、あらゆることに有用だと感じている。
これを契機とするブームは、Amazon、Microsoft、「Facebook」を運営するMeta、Googleの親会社Alphabetなどが、新興企業や新しいAI技術に計数十億ドル規模の投資をすることにつながった。
Bloombergは、Appleが取り組んでいる機能の1つとして、未読の通知やテキストメッセージのほか、ウェブページ、ニュース記事、文書などの要約を生成する機能を挙げている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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