山善は5月15日、リチウムイオンバッテリーを活用した家電シリーズ「ELEIN」(エレイン)を新設し、6月上旬から発売すると発表した。同社が運営する通販サイト「山善ビズコム」やECモールの「くらしのeショップ」、全国の家電量販店やホームセンターなどで、順次取り扱いを開始する。
ELEINは、リチウムイオンバッテリーと太陽光エネルギーを組み合わせた家電シリーズ。第1弾として、リチウムイオンバッテリー、急速充電器、扇風機や保冷温庫など6アイテムのバッテリー対応家電、3アイテムのポータブル電源、4アイテムのソーラーパネル、充電ステーションの計16アイテムを発売する。
バッテリーを搭載しているためコンセントの位置を気にせず使用できるほか、ELEINシリーズの各商品を組み合わせて使うことで、昼間にバッテリーへ蓄電した太陽光エネルギーを夕方以降に活用することもでき、節電につなげられる。また、停電時や災害時の利用も可能だ。
リチウムイオンバッテリー「YBD-5A」は、ELEINシリーズ共通で使用できるバッテリー。同シリーズの急速充電器「YBC-3A」に装着すると、約2時間でフル充電でき、モバイルバッテリーとしてスマートフォンの充電などで利用できる。想定価格は、リチウムイオンバッテリーが1万2000円前後、急速充電器は3000円前後。
また、コンパクトクーラー「YBC-C04」は同シリーズのリチウムイオンバッテリー1個装着で約30分、4個の場合は約2時間の連続運転が可能で、周囲温度差マイナス10度の冷風が出る。想定価格は7万8000円前後で、コンセントのない場所や、災害時、テントや車の中での冷房が可能だ。扇風機「YBF-A20」と工場扇「YBF-B40」も、同シリーズのリチウムイオンバッテリーを装着することで、長時間の連続運転が可能。想定価格は扇風機が1万円、工場扇が1万3000円となっている。
ポータブル電源は、600Wの「YPB-RS600」、1200Wの「YPB-RS1200」、2400Wの「YPB-RS2400」と用途に合わせて容量を選択でき、あらゆる家電への電源供給が可能。想定価格はそれぞれ7万2000円前後、14万2000円前後、22万円前後となっている。
ソーラーパネルは、庭やベランダ、キャンプなどで使用できるスタンダードタイプの「YSP-M60」(60W)、「YSP-M100」(100W)、車のダッシュボードなどに置けるポータブルタイプの「YRSB-M75」(7.5W)、「YRSB-M100」(10W)の、4アイテム展開。想定価格はスタンダードタイプが2万~3万1000円前後、ポータブルタイプが4400~5500円前後。
これらのラインアップに、2024年夏以降に発売予定の商品として、「YFR-DC90」(9L)、「YFR-DC250」(25L)、「YFR-DC350」(35L)の3サイズ展開でマイナス18度から温めの60度までの温度設定ができる保冷温庫、一度に4個のリチウムイオンバッテリーを充電できる充電ステーションが加わる。想定価格は未定。
山善で取締役上席執行役員家庭機器事業部長を務める中山尚律氏によると、開発の背景には電気料金の高騰、自然災害時の停電対策、サステナビリティ意識の向上などによる太陽エネルギー活用への期待があったという。商品ラインアップは今後も拡充予定で、バッテリー家電であるという特性を生かし、海外展開も視野に入れる。「シリーズ全体で、3年後の売り上げを20億円にすることを目指している」と、中山氏はコメントした。
山善は今後も、持続可能な社会の実現に向けた商品およびサービスの提供を推進していくという。
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