シャープは5月8日、スマートフォンの新モデル「AQUOS R9」「AQUOS wish4」を発表した。
国内ではそれぞれ7月中旬以降、7月上旬以降に発売する。想定価格(税込)は、R9が10万円前後、wish4が3万円台前半。また、いずれもグローバルモデルとし、他国でも展開するという。
R9は、「時短ニーズのための効率型ハイエンド」をコンセプトとし、「グリーン」「ホワイト」の2色を展開する。
約6.5インチで狭額縁・大画面、フルHD+(1080×2340ドット)のPro IGZO OLEDディスプレイを搭載し、リフレッシュレートは1~240Hzの可変駆動。画面全体を白表示した場合の輝度は1500ニトで、前モデル「R8」と比較すると約4倍になるという。また、画面の1%を白表示する「点の明るさ」で見た場合、2000ニトになるとしている。
バッテリーは標準5000mAhで、スマホのAQUOSとして初めて、液体と蒸気を内部で循環させて熱を拡散する放熱部材「ベイパーチャンバー」を採用。表面温度を最大でマイナス5度、パフォーマンス持続時間を最大8割向上させることができるという。
OSは「Android 14」で、CPUは「Snapdragon 7+ Gen 3 Mobile Platform」。内蔵メモリーはRAMが12GBだが、仮想メモリー機能を活用すれば8GBを拡張できる。ROMは256GBで、nanoSIMとeSIMでのDSDVや「microSDカード」「NFC」にも対応。指紋のほか、マスク装着時も認識可能な顔認証にも対応する。
ライカが監修するカメラ機能では、1/1.55インチの大型イメージセンサーと、ライカのレンズ「HEKTOR」(ヘクトール)を搭載。背面にある広角84度の標準カメラと超広角122度の広角カメラ、前面の広角84度のカメラはいずれも有効画素数が約5030万画素となる。被写体が物陰に隠れても動きを予測して追尾するAFや、ブレやすい夜間でも鮮明に撮影できる光学式手ブレ補正(OIS:Optical Image Stabilizer)に対応するという。
スマホのAQUOS史上最大サイズのステレオスピーカーを搭載するなど、音質面も強化。R8と比較すると音量は約2.5倍、低音域は約2倍になるとしている。
生成AIを活用した機能として、留守番電話を要約して表示する機能も新搭載。録音を聞かずに用件を一目で確認可能だ。
ベーシックモデルとなるwish4は、ホワイトと「ブルー」「ブラック」の3色を展開する。
コンセプトは「つよかわ」だ。従来モデル「wish3」から好評だったという安心感に耐久性を加えた。約6.6インチのディスプレイにコンクリートへの落下想定試験をクリアした強化ガラスを採用し、本体も「MIL-STD-810H」に準拠。ハンドソープ対応の防水も施した、防水・防じん・耐衝撃対応モデルとなる。
バッテリーは標準5000mAhで、OSは「Android 14」、CPUに「MediaTek Dimensity 700」を搭載。内蔵メモリーはRAMが4GB、ROMが64GBで、指紋とマスク装着に対応した顔認証を利用可能だ。
カメラ機能では、背面に広角79度、5010万画素のアウトカメラ、前面に広角78度、800万画素のインカメラを搭載する。
R9は国内では、NTTドコモと「ソフトバンク」ブランドで取り扱うほか、SIMフリーモデルも展開する。また、インドネシア、台湾、シンガポールでも販売するという。
wish4は国内ではドコモと「ワイモバイル」ブランド、SIMフリーモデルを展開し、国外では、台湾とシンガポールでも販売するとしている。
シャープ 通信事業本部 本部長の小林繁氏は、コンセプトも価格帯も異なる2機種の共通点として、「今現在ユーザーが1番気にしていることは何か、使って感じていることは何かを突き詰め、考え、寄り添った。為替や部品の価格といったさまざまな影響を受けるなか、全てを考えた英知の結集」と、自信を持った製品であることを話す。
また、「スマホとしての存在意義、ユーザーが毎時・毎分・毎秒触るスマホにあるべきデザイン、技術の進化が著しいAIの3点に注力した。2024年、スマホとしてのAQUOSがイメージチェンジを目指す中での第1弾製品」と加える。従来機種は日本で発売後、少し時間を空けてからグローバル展開していたが、今後は可能な限り早く発売したい意向を明かし、「日本らしいものづくりを世界に届ける挑戦をしたい」(小林氏)という。
シャープ 通信事業本部 パーソナル通信事業部 事業部長の中江優晃氏は、「日本のおもてなし文化が海外の観光客を魅了するように、スマホにおける日本ならではのきめ細やかな配慮も、世界中の人々にとって価値があるはず」と続け、グローバル市場が視野にあることを強調する。
そのために日本のシャープとしての原点に立ち戻り、携帯で写真を撮って送り合う文化、携帯でテレビを見る体験といった新しいモバイルエンタテインメントを開拓してきたことから、スマホのAQUOSブランドの価値を「映像ブランドのAQUOSとして提供する最高の映像体験」と、「それらをあらゆるシーンで楽しめること」の2つにあると再確認したという。
スマホのAQUOSブランドを「くらしの隅々までワクワクを届ける日本発のスマートフォン」(中江氏)と再定義し、商品を展開していくと話した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス