Appleは14年前に「iPad」を発売して以来、iPad向けに自社の「計算機」アプリを提供していない。その理由をめぐる関心は今、同社の計算機アプリがついに2024年の「iPadOS 18」に搭載されるといううわさに移りつつある。
Appleは5月にiPadの新モデルを発表すると予想されている。また、6月のWWDCでは「iOS」、iPadOS、「visionOS」、「macOS」の新バージョンを発表するとみられる。MacRumorsによるとiPadOS 18には、対応するすべてのiPadモデル向けの計算機アプリが含まれる予定だという。
なぜiPadにこれまで計算機アプリが搭載されていなかったのか、公式な情報は得られていないが、憶測によると、その理由は市場での位置づけ、サードパーティー開発の奨励、そしておそらく最も信憑性が高いのは、設計思想にあるとの情報だ。Appleの元従業員を名乗る人物は2016年にRedditで、iPadに計算機アプリがない理由はSteve Jobs氏にあると説明していた。
「リリースの1カ月前、Steve Jobs氏はScott Forstall氏をオフィスに呼び、こう言った。『計算機の新しいデザインはどこだ?これはひどすぎる』。彼は『新しいデザインとは?』と言い、私たちが出荷しようとしているのはこれだと返した。Steveは『いや撤回しろ、それは出荷できない』と言った。Scottは計算機を残すために食い下がったが、UIチームを巻き込んで計算機の新しい見た目をデザインしなければならないと分かっていた。しかし、このような短期間では到底不可能だったため、これを廃止した」
iPadOSはiOSをベースに作られているため、当初iPadOSに内蔵されていたアプリの多くは、対応するiOSアプリをより大きな画面に合わせて引き伸ばしただけのものだった。Jobs氏が、タブレットの画面全体を埋め尽くす計算機アプリは目障りだと考えたというのは、もっともな説明に思える。元従業員を名乗る人物は、計算機アプリの優先順位はそれ以降ずっと低いままだとして話を締めくくった。
Appleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントであるCraig Federighi氏は2020年、WWDC閉幕後のインタビューで、iPad向けのネイティブな計算機アプリについてこう語った。「本当にうまくできるときにやりたい。そして、正直なところ、私たちはまだそこまで手が回っていない」
このうわさは、間違いなくWWDC期間中の楽しみの1つになりそうだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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