NTTドコモの社会科学系の研究所であるモバイル社会研究所は4月11日、「2023年親と子の調査」において、小・中学生の親が授業で生成AIを使うことに対する調査結果を発表した。調査時期は、2023年11月。調査対象は、関東1都6県の小学生および、中学生とその親。回答数は、600。
同研究所によると、ChatGPTなど、生成AIの活用は学習分野でも検討されているが、生成AIの活用にあたっては、多くのサービスが年齢制限もしくは、保護者の同意を必要としているという。そこで、小中学生の親に学校の授業で生成AIを活用することの賛否を調査したところ、「賛成」(「賛成」と「やや賛成」の合計)が37%、反対(「やや反対」と「反対」の合計)が21%だった。一方で、「わからない」が42%に達している。
また、「賛成」「反対」「わからない」のそれぞれで、回答者の特性を調べると「親の年齢」が大きく関連していたという。例えば、「わからない」と回答した割合は、年齢が低くなると多くなる。また、「賛成」と「反対」の割合を比較すると、年齢が低い親では、「賛成」の割合が多くなる。このことから、親の年齢に代表される「親の属性」や「親のICTスキル」「親が考える子がICT機器を使うことへの期待と不安」との関連が多くみられたとしている。その一方、「子どものICT利活用状況」や「学校でのICT機器を使った授業の頻度」「子ども属性」との関連はあまりみられなかった。
学校の授業を問わない生成AIの利用状況については、中学生(n=196)の利用率が8.2%で、親(n=584)の利用率3.9%を上回っている結果となった。なお、小学校低学年(n=193)は1.6%、小学校高学年(n=198)は2.5%だった。
多くの生成AIでは、年齢制限や親の同意が必要。生成AIの利用は便利であり、発展的な学習が期待される一方、誤った回答や仕組みを知らないなどの課題も存在する。同研究所では、急速に拡大する可能性があることから、引き続き親と子が生成AIについて、どのような利用・関心・態度であるか、調査を続けていくとしている。
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