2nm半導体の国産化めざすラピダス、新卒採用を開始--「エンジニア獲得は非常に順調」と小池社長

 日本で2nm半導体の量産を目指しているRapidus(ラピダス)は4月1日、初の新卒採用を実施したと明らかにした。「日本では半導体人材の確保が難しいのでは」との懸念に対して、代表取締役社長を務める小池淳義氏は「採用は非常に順調」と自信を示した。

代表取締役社長を務める小池淳義氏
代表取締役社長を務める小池淳義氏

 2027年度に2nm半導体の量産開始を目指すラピダスは、新たに経済産業省から5900億円の支援を獲得。これまでの決定分と合わせて、国から9000億円の支援を受ける。1月には北海道千歳市で次世代半導体工場「IIM-1」の建屋の建設を開始しており、2025年4月までのパイロットライン立ち上げを計画している。それに先駆けて、12月には半導体製造に不可欠なEUV装置も搬入するという。

 さらに今回、半導体の回路部分を製造する「前工程」に加えて、半導体をパッケージングする「後工程」も国が支援することが決まった。後工程は「AI半導体」のキー技術とされており、ラピダスはAI半導体での競争力確保を目指す。

 「日本には優れた材料や装置メーカーがあるが、この出口となるメーカーがなかった。我々は一丸となって日本から世界に貢献できる半導体を製造する」(小池社長)

エンジニア採用は「非常に順調」

 小池氏によると、4月1日付けで約40人がラピダスに新たに入社し、社員数は300人を超えた。「日本が(半導体分野で)世界一だったことを知っているベテランのエンジニアだけでなく、今回始めて新卒の方、ドクターを含めて非常に優秀な方を採用した」と述べた。

 「我々は設立して1年半ということで、本当は新卒の方を採ることはできないが、(先端半導体に)チャレンジしようということで入っていただいた。これから本格的に新卒の方を採用し、将来は新卒と熟練の方々が半々でエンジニアリングをしていきたい。ありがたいことに、非常に優秀な方々が熱意をもって毎月応募してくださるので、エンジニアの数は心配していない」(小池社長)

 なお、パイロットラインの完全な運用には2兆円かかるとみられており、これまでに国から調達した9000億円はパイロットライン運用開始への足がかりにすぎない。また、2nm半導体の量産化にはトータルで5兆円かかると試算されている。小池社長は「資金調達を準備しており必要な時期が来たらお示しする」と述べ、今はきちんとした技術を持っており、量産が可能であることを証明するフェーズとも付け加えた。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]