NTT西日本は4月1日、3月31日で代表取締役社長 社長執行役員を退任した森林正彰氏の後任として、北村亮太氏が就任したことを発表した。
北村氏は、「信頼回復に全力で取り組むとともに、事業に関するこれまでの変革の取り組みをスピード感を持って進めていく」と話す。
事業成長の観点では、社会の課題解決と価値創造の両立を目指す。地域観光事業となる「Actibaseふくい」や、データ連携基盤「都市OS」などの取り組みを推進すべく、自治体や地域企業、住民、パートナーと共創し、新たな価値を創造できる人材を育成・輩出するという。
2023年のNTT西日本の顧客情報が流出した件については、顕在化したリスクへの暫定対処は2月に完了したという。
また、再発防止策として、(1)リスクの可視化、(2)リスク箇所の最小化、(3)監視の高度化・点検の徹底、(4)情報セキュリティ推進体制の強化――の4点を中心に据え、システムごとのセキュリティ情報の台帳化、USBメモリーに変わるデータの受け渡しシステム、持ち出し権限の集中的な管理制御などを2025年度から運用する。現在はプロジェクトとしての体制の構築、再発防止策の実効性表をスケジュール化している段階で、7月から正式な組織として拡充する予定だ。
北村氏は、「ずさんなIDアカウント管理、点検・監査の形骸化など、情報セキュリティの管理体制、危機管理意識に問題があった。西日本で起きたことが東日本では起きなかったが、本当はどこでも起こりうる問題。今回の再発防止策で担保しつつ、西日本の問題として社員のマインドを含めて変えていく」と話す。
信頼回復にあたり、「NTT西日本スピリッツ」という概念を全社員、全組織に浸透・徹底・定着させることによる企業風土改革と、情報管理セキュリティの強化・徹底を着実に実行したいとした。
北村氏は、1988年にNTTに入社。2018年からNTTとNTT西日本の取締役、NTTでは2020年から執行役員を務め、2022年からNTT東日本の代表取締役副社長を務めていた。
「昨日(3月31日)までは(NTT)東日本の副社長を務めていたが、東西が抱える本質的な問題・課題は同じ。東西それぞれ良いところがあるのでしっかり組み合わせ、東西が今まで以上に連携し、より良い変革に生かす。私の最大のミッションは、取り組みにおけるさまざまな障壁を取り除くこと。社長として現地に入り、その土地の良さや風土文化を実際に見て、聞いて、生かしたい」(北村氏)と語った。
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