「iPhone」向けOSの次期メジャーバージョンは、おそらく「iOS 18」という名称になり、「Worldwide Developer Conference(WWDC)」で発表されるはずだ。
本記事では、Appleが次にiPhoneに導入しそうな機能を予想する代わりに、iOS 18に期待することを、米CNETの中でもiOSとiPhoneに最も精通した記者たちに語ってもらい、その内容をまとめた。
-- Patrick Holland記者
「Dynamic Island」はマルチタスクの第一歩として素晴らしいとは思うが、私は、Appleが特にiPhone Pro Maxの大画面を活用する方法をもっと見つけてくれることを望んでいる。過去の記事でも書いたように、より大型のiPhoneに最適化されたAppleの「Slide Over」機能が提供されることを期待している。
Slide Overは「iPad」で使える機能で、2つ目のアプリを画面の片側にフローティングパネルとして表示できる。スマートフォンサイズの画面だと、「Split View」よりもこの機能の方が便利に感じられそうだ。iPhone Pro MaxでSlide Overが利用できるようになれば、画面の大部分を1つのアプリに割り当てて、同時に別のアプリもチェックできるようになる。これは、例えば、電子メールの受信トレイを閲覧しつつ、「Slack」の新着メッセージにも注意しておきたいときなどに便利だろう。
-- Lisa Eadicicco記者
「iPhone 15 Pro」と「iPhone 15 Pro Max」の新機能の1つは、2007年の初代モデル以降、すべてのモデルのiPhoneに搭載されてきた着信/消音スイッチに取って代わる「アクション」ボタンだ。現在のアクションボタンの仕様では、一度に1つのショートカットしか割り当てることができない。デフォルトでは、以前の消音スイッチと全く同じアクションが割り当てられている。つまり、着信音や通知音のオン/オフを切り替えることができる。アクションボタンには、「カメラ」アプリを開いて写真を撮影する、といったさまざまなアクションを割り当てることが可能だ。「ショートカット」アプリで、特定の一連動作のショートカット/自動化を割り当てることもできる。私が最も気に入っている使い方は、自分の位置情報に応じてアクションが作動するように設定して、例えばいつも側を通るStarbucksの店舗に近づいたときに、ラテを今すぐ注文するアクションを実行させる、というものかもしれない。
アクションボタンは、ボタンに割り当てられたアクションの種類に関係なく、1回の長押しで機能する。現時点では、アクションボタンをより有効に活用するために、割り当てるアクションを都度変更するか、あるいは、ショートカットアプリで複雑な自動化を設定しなければならない。
しかし、Appleが複数のボタン押下パターンをサポートしてくれれば、アクションボタンでできることが大幅に増えるのではないだろうか。例えば、1回の長押しで着信/消音モードを切り替える機能を維持しつつ、2回の長押しで他のアクション(懐中電灯のオン/オフなど)を実行する、といったことが可能になるだろう。これによって、アクションボタンの機能性が大幅に向上し、その結果、さらに多くの人がアクションボタンをより有効に活用できるようになると思う。
-- Patrick Holland記者
スタンバイモードは、Appleが「iOS 17」で導入した私のお気に入り新機能の1つだ。私はこの機能を仕事用デスクで毎日使用しており、天気や時刻、ポッドキャストを簡単に確認できるのはありがたい。だが、この機能をさらに進化させてほしいと思っている。
まず、「メッセージ」と「メール」をスタンバイモードで活用できるようにしてほしい。現状では、iPhoneがスタンバイモード中にテキストメッセージを受信すると、通知が表示される。そして、その通知が消える前にタップすると、メッセージのプレビューが表示される。時間内にタップできなかった場合、メッセージの全文を読んで返信するには、スタンバイモードを解除しなければならない。
Appleが「メッセージ」向けのスタンバイモードウィジェットを開発して、スタンバイモードを終了しなくてもメッセージ全文を表示して返信できるようになれば、とても便利だろう。また、電子メール(ニュースレターなど)を読んだり、新着メッセージを表示したりできるスタンバイモード用の「メール」ウィジェットも提供してくれるとうれしい。そのようなウィジェットがあれば、受信トレイを常に把握しておき、メールにすぐに返信する必要があるのか、それとも、新着メールが単なるスパムなのかどうかを確認することができる。
-- Zach McAuliffe記者
私は働きながら母親業をしているので、ほぼいつも、長い「やるべきことリスト」を抱えているが、Siriがもっと賢くなれば、そうしたタスクがかなり楽になると思う。現在は、アラームの設定、リマインダーの作成、天気の確認など、基本的なタスクにSiriを利用している。だが、Siriに大規模言語モデルが統合されるといううわさを聞いて、iPhoneでもっと複雑なタスクを処理できるようになる未来を思い描くようになった。例えば、スーパーマーケットの近くにいるときに、ブルーベリーを買うよう促すリマインダーを自動的に表示したり、香港で子どもにも犬にも優しい、近くのレストランを自動で見つけて提案したりする、といったことが可能になるかもしれない。
幸い、この願望は無理な話ではなさそうで、大規模言語モデルが実現すれば、Siriはより複雑でニュアンスを含む質問を理解したり、そうした質問に、より正確に答えたりできるようになるはずだ。
-- Sareena Dayaram記者
バイリンガルの家庭の人は共感していただけると思うが、私が求めているのは、今話されている言語を自動的に識別するSiriの能力の向上だ。なぜなら、現状では、キーボードを切り替え忘れると、iPhoneは、スペイン語で話された内容を英語だと判断したり、英語で話された内容をスペイン語だと判断したりして、意味不明な言葉を吐き出すからだ。
スペイン語の音声メッセージを受信した場合、iOSシステムはそのメッセージが英語ではないことを認識できず、意味の分からない英語でのプレビューを表示しようとする。うわさされているスマートAI機能が搭載されれば、話されている言語をSiriが認識できるようになるかもしれない。
私はスペイン語が得意ではないので、スペイン語で送信されたテキストメッセージや音声メッセージをiPhoneが英語に翻訳してくれたら便利だ。「Duolingo」のキャラクターの鳥である「Duo」は、私がスペイン語のレッスンを受ける必要がなくなることに腹を立てるだろうが、どのみち、いつも私に腹を立てている。
-- Bridget Carey記者
到着確認は、筆者がiOS 17で気に入っている機能の1つで、自分が特定の場所に向かっていることを友人や家族に知らせることができるというものだ(夕食を外でとっていて遅い時間に帰宅しようとしている、など)。友人や家族には、自分が移動中であることと帰宅時間を知らせる通知が届く。目的地に到着したり、予定に入っていなかった場所に途中で立ち寄ったりすると、相手に通知が送信される。何かが起きて帰宅しなかった場合は、最後の位置情報やiPhoneのバッテリー残量などのデータも含むメッセージが友人に送信される。
iOS 18では、1人だけでなく、複数の相手に到着確認を送信できるようにしてほしい。現在、到着確認は1人の相手としかできない。それもいいが、複数の家族や友人と同時に到着確認を共有したいと思うこともよくある。
-- Patrick Holland記者
「メッセージ」でテキストの送信時間を指定できるようになれば、非常に便利だろう。別のタイムゾーンにいる友人や家族にテキストメッセージを送信するときは、いつも時間を計算しなければならない。相手がまだ寝ている時間帯にテキストメッセージを送信したくないからだ。米国東部時間の午前8時にテキストメッセージを送信したとしても、米国太平洋時間では午前5時なので、相手はまだ寝ている。以前、夜勤の仕事をしていたとき、友人にテキストメッセージを送信して、質問をしたり、単に話をしたりしたくなったことがあった。しかし、午前5時にテキストメッセージで起こされたい人がどこにいるだろうか。私が学んだところによると、そんな人はほとんどいない。
「メッセージ」でテキストの送信時間を指定できるようになれば、こうした問題は軽減されるだろう。「Android」のメッセージアプリなどでは、メッセージを後で送信するように設定できる機能がすでにあるので、Appleもこれに追いつく時がきた。iPhoneでもショートカットアプリを使えば、メッセージを後で送信できるよう設定できるではないかと言う人もいるかもしれないが、何かを機能させるために別の機能を使う必要があるのなら、それは機能しているとは言えないのではないだろうか。AppleはAndroidを見習って、メッセージを後で送信するように設定できる機能を追加すべきだ。そうすれば、友人や家族とは別のタイムゾーンに住んでいる人や、普通の人が眠っている時間に働いている人から感謝されるだろう。
-- Zach McAuliffe記者
AppleはそろそろiPhoneの「カメラ」アプリを見直す時期だ。写真や動画、エフェクトの「出来栄えがそのまま分かる」プレビューに、操作しやすい最低限のコントロールとモードと、長年にわたって、iPhoneのカメラアプリはシンプルさの絶対的な基準となっていた。しかし、特に「Apple ProRAW」の写真や「Apple ProRes」の動画撮影、空間ビデオなどの機能が追加されるにつれて、カメラアプリが窮屈に感じられるようになった。手動カメラコントロールなどのよりハイエンドな機能を犠牲にして、オールインワンのアプリであり続けようとしている。
私は、Appleがクラシック音楽専用のアプリを個別で開発したのと同じように、プロ用のカメラアプリを別に開発してくれたらと思う。「Apple Music Classical」は、クラシック音楽の分類と検索、発見という、デフォルトの「Apple Music」アプリでは対応していない専門の課題に対応するアプリだ。同様に、プロ向けのカメラアプリも、クリエイティブな人々が基本的なカメラアプリでは提供されないカメラコントロールや設定、機能にアクセスできる場所になるかもしれない。ソニーは「Xperia 1」シリーズと「Xperia 5」シリーズのスマートフォンでそうしたアプローチを採用して、大きな成功を収めている。サムスンもメインのカメラアプリを補完する「Expert Raw」アプリを別に提供している。
次はAppleの番だ。
-- Patrick Holland記者
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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