欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は現地時間3月25日、デジタル市場法(DMA)違反の疑いで、Alphabet、Apple、Metaの調査を開始したことを明らかにした。
欧州委員会は、AlphabetとAppleのアプリストアに関して、自社ストア以外でのアプリの販売を不当に制限している疑いがあると指摘した。
また、Alphabetが「Google検索」の結果表示で自社ブランドサービスを優遇している可能性や、Appleが「iOS」でアプリのアンインストールやデフォルト設定の変更を行う際に、ユーザーの選択肢を制限している可能性がある点についても調査する。
Metaについては、最近「Facebook」と「Instagram」でEUユーザー向けに導入された有料の広告非表示サービスが、個人データの蓄積防止というDMAの目的を達成できていない可能性があるとした。
声明では、Amazonの自社ブランド商品の優遇や、Appleが設けた代替アプリストアに関する新たな手数料体系についても調査を開始すると述べている。
DMAの運用は2024年3月7日に開始されたばかり。同法では、規制対象である「ゲートキーパー」企業として、市場支配力が大きいAlphabet、Amazon、Apple、字節跳動(バイトダンス)、Meta、Microsoftの6社を指定している。ゲートキーパーには、同法の運用が開始されるまでに対策を講じることが義務づけられていた。
今回の調査は12カ月以内に終了する予定だ。違反が確認された場合、世界全体での売上高の最大10%という巨額の制裁金が科される可能性があり、繰り返し違反した場合には、制裁金の上限が20%まで引き上げられる。また組織的な違反が確認されれば、対象企業に対して一部事業の売却を命じたり、別のサービスの買収を禁じたりする場合もあるとしている。
域内市場担当欧州委員を務めるTierry Breton氏は声明の中で、「私たちは、Alphabet、Apple、Metaが示した解決策が、欧州の市民や企業にとってより公正でオープンなデジタル空間を作るための義務を尊重していると確信できていない。調査の結果、DMAに完全に準拠できていないことが明らかになれば、ゲートキーパーには多額の制裁金が科されることになる」と述べた。
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