政府は3月1日、「日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案」(以下NTT法改正案)を閣議決定した。
改正案では、これまでNTTに課されていた研究成果の開示義務を廃止した。同義務をめぐっては、たとえ懸念国からであっても、問い合わせがあれば研究成果を開示する必要があり、技術の国外流出をまねくと懸念されていた。
また、これまで禁止されていた外国人役員の登用も可能になった。一方、改正案でも外国人は代表取締役には就任できず、外国人が役員の3分の1を超えてはならないなど一定の縛りを設けた。
このほか、「日本電信電話」(略称NTT)という社名を変更できるようにした。NTT側は「現行法では20年前にサービスを終了した『電信』と付く社名を変更できない」として問題視していた。
NTT法改正案の閣議決定を受け、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯3社は声明で「強い懸念」を表明した。
3社はNTT法の改正には賛成するが、廃止には反対との立場だ。今回の改正案については、付則に「NTT法の廃止を含め検討」とあり、その時期について「令和七年(2025年)に開会される国会の常会をめど」と時限を設ける旨が規定されたとして問題視。「今後の議論に先立ち、法制度のあり方をあらかじめ方向付け、拙速な議論を招きかねない」と反発した。
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