あいおいニッセイ同和損保、「生成AI専用保険」を国内初提供--3月から、対象は企業

 あいおいニッセイ同和損害保険は2月28日、3月から国内初となる「生成AI専用保険」の提供を開始すると発表した。

 近年急速に利用が拡大している生成AIの安全・安心な導入・活用の促進と、導入に際して企業が抱える不安の払拭を目指す。

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 生成AI専用保険は、Archaicが開発・構築した生成AIシステム・サービスを導入・利用する企業が対象。生成AIの利用で知的財産権の侵害や情報漏洩などが発生した際に、企業が負担する費用(調査、法律相談、再発防止、記者会見・社告、被害者への見舞金)を補償する商品となる。

生成AI専用保険の補償内容
生成AI専用保険の補償内容
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 例えば、生成AIを使用して生成した製造物が知的財産権(特許権、商標権、実用新案権、意匠権、著作権)を侵害したとして権利者から訴訟を起こされた場合、国内の訴訟に限定して補償の対象となる。

 生成AI使用に起因して自社の機密情報が外部に漏洩し、そのことが新聞やテレビ等で報道された場合や、生成AIの使用に伴う口頭、文書、図画といった表示行為による名誉の毀損(きそん)、プライバシー侵害、そのほか不適切な表現が新聞やテレビなどで報道された場合なども対象になるという。

 事故後の補償だけでなく、Archaicが提供するガバナンス体制の構築支援や事故発生後のコンサルティングサービスをパッケージで提供する。事故の未然防止や事故後の早期回復の機能を加え、企業の安全・安心な生成AIの利用を支援するとしている。

生成AI専用保険の全体像 生成AI専用保険の全体像
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 データの解析と学習を通じてAIが新たなコンテンツを生成する生成AIは、2022年11月に米OpenAIが対話型チャットボット「ChatGPT」を公開したことを契機に注目が集まった。世界中で利用が拡大しており、日本でも大手企業を中心に導入が加速。生成AIによる社内の業務効率化が進められている。より多くの業界での活用が見込まれる一方で、権利侵害や情報漏洩、出力結果の正確性など、利用に当たるさまざまなリスクが存在し、導入に向けた大きな障壁となっている。

 同社はこれらの課題を解消、生成AIの更なる普及を促進するため、AI技術開発をグローバルな体制で実現するArchaicと共同で生成AI専用保険を開発したとしている。

 両社は、それぞれが保有する知見・ノウハウの相互利活用などを通じて、CSV×DXを実現し、安全・安心な生成AIの普及の支援ならびに、社会・地域課題の解決を目指すという。

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