[ブックレビュー]中学生目線で学べる「お金の話」--「きみのお金は誰のため」

フライヤー編集部2024年02月24日 08時00分
東洋経済新報社
内容:今回は、グロービス経営大学院とフライヤー主催による「読者が選ぶビジネス書グランプリ」で、2024年の総合グランプリとなった「きみのお金は誰のため」を紹介する。本アワードは、読者が「有益だった」「実用的だった」と思うビジネス書に投票する形式で選出された。

 今回は、グロービス経営大学院とフライヤー主催による「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024」で、総合グランプリを受賞した「きみのお金は誰のため」を紹介する。本アワードは、読者が「有益だった」「実用的だった」と思うビジネス書に投票する形式で選出された。

 お金。現代社会でそれを身近に感じない人はいない。誰もがその価値を知っているし、誰もがそれを追い求める。ほとんどの人はお金欲しさに労働し、給料としてお金をもらう。

 しかし、立ち止まって考えてみる。お金とは一体何なのだろうか。汗水流して手に入れた一万円札。それ自体はただの紙切れのはずだ。なぜこんなものをもらって、人は喜ぶのだろうか。よくよく考えれば、私たちはお金について知らないことが多い。いや、自分がお金について無知なことすら気づかずに生きている。

 本書は、我々がお金に対して抱いている誤解を解くところから始まる。お金にまつわる過大評価や幻想をいとも鮮やかに振り払うのだ。物語は主人公である優斗が、「ボス」からお金に関する講義を受けることで進んでいく。経済や金融の前提知識は必要ない。中学生の優斗と同じ目線で、身近でわかりやすい例を通してお金への理解を深めることができる。

 「お金自体に価値はない」。そう言われてもすぐには納得できず、異を唱える人が多いはずだ。詭弁だ。きれいごとだ。現実を見ろ。そんな言葉が脳裏を掠めるのも無理はない。しかし、本書を読み終わったらきっとこう思うはずだ。「たしかに、お金に価値はない」と。それほど本書は華麗に新たな視点をもたらしてくれる。お金は大事だ、お金がたくさん欲しいと思っている人にほど、本書をおすすめしたい。

今回ご紹介した「きみのお金は誰のため ボスが教えてくれた『お金の謎』と『社会のしくみ』」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。

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