大成建設は、ダム建設現場で行う骨材原石の運搬作業に自動運転対応の大型ダンプトラックを導入し、積込場から排土場までの原石運搬作業を自動化した。
使用したダンプトラックは、「リジッドダンプ」と呼ばれるタイプの土工事用車両だ。小松製作所製の「HD465」をベースに自動運転化した「T-iROBO Rigid Dump」で、積載量は55トン。
大成建設は、秋田県東成瀬村の成瀬ダム建設現場で行われている工事にT-iROBO Rigid Dumpを導入。同ダムの原石山採取工事で、パワーショベルの一種である積込機械「バックホウ」と協調運転し、ダム堤体の材料となる骨材原石を積込場から排土場まで運搬する作業を自動化した。
このリジッドダンプには、まず骨材原石を積み込むバックホウの位置を指定し、その場所まで自動走行させる。有人操作による積み込み作業を終えた後、操作システムの「積込完了」ボタンを押すと、リジッドダンプが排土場の投入口まで自動運転で移動する。その際の最高速度は時速19.9km。
排土場の投入口は5つ設けられており、制御室から適切な投入口を指示することでリジッドダンプはその位置へ自動走行する。排土が完了すると、積込場へ自動走行で戻る。
積込場と排土場は約400m離れていて、途中にほかのダンプトラックと遭遇する交差点が存在する。リジッドダンプは交差点の手前で一時停止するので、制御室の担当者が安全を確認してから自動走行を再開させていた。
2023年5月10日~11月9日に運用し、総走行距離は1885.13kmに達した。その間の総運搬回数は2647回、総運搬量は11万6074.8トン。
大成建設は、今後も自動運転リジッドダンプを運用して技術検証し、建設機械の自動運転技術を開発していく。
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