Amazonは長年にわたって、人工知能(AI)のソリューションや基盤モデルの開発に取り組んできている。そして同社は米国時間2月1日、自社顧客向けに開発した専用の生成型AIチャットボット「Rufus」を発表した。
RufusはOpenAIの「ChatGPT」のように動作する。つまり、AIを活用したこのテクノロジーは、テキストを介してユーザーと対話し、背景に基づいてパーソナライズされた情報を提供するため、買い物客はさらなる質問を投げかけられる。RufusとChatGPTの大きな違いは、Rufusが買い物の支援に軸足を置いており、Amazonの商品カタログや、顧客レビュー、Q&A、インターネット上で提供されている情報を用いて訓練されているところにある。
Rufusを用いることで顧客は、検索結果をさらに絞り込む際のフィルターメニューに表示されていないようなキーワードであっても、それらを自らの言葉で指定できるようになる。また、RufusはChatGPTや、Microsoftの「Copilot」、Googleの「Bard」とよく似た方法で質問に答えることもできる。例えば、ショッピング時にRufusに対して「屋内ハーブガーデンを始めたい場合に考慮すべき点は何か?」や「USB-Cケーブルを購入する際に何を考慮すべきか?」といった質問を投げかけられる。
また顧客は、商品やカテゴリーの比較を要求したり、商品一覧ページ上で製品に関する具体的な質問を投げかけたり、お勧め商品の提示を求めることもできる。
Amazonは、Rufusのベータ版を同社の米国向けショッピング用モバイルアプリで少数の顧客に向けて同日より提供しており、今後数週間かけて同国の幅広い顧客に向けて順次展開していく計画だ。
Amazonは、AIを活用した機能を同社のショッピングプラットフォーム上に徐々に取り込んできている。こうした機能には、AIを用いて大量の顧客レビューから洞察を導き出すレビューハイライト機能や、衣服などのサイズに関して個人的なガイダンスを提供する「Fit Review Highlights」機能、出品者が魅力ある商品リストを生み出すための支援機能などが含まれている。
Amazonはショッピングエクスペリエンスに生成型AIの力を取り入れることで、ユーザーの意思決定プロセスを支援するとともに、顧客の信頼を高めていきたいと考えている。また同社は、顧客からのフィードバックに基づいてRufusを改善していく計画だ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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