NTTドコモは2月2日、通信サービス品質の改善に向けた取り組み状況を発表した。d払いアプリでバーコード表示までにかかる時間を位置情報とひもづけることで「つながりにくいエリア」を可視化し、通信品質の改善に役立てるという。
ドコモの通信品質は2023年春頃から「つながらない」などの声がSNSで噴出。同社は原因の究明と対策を進めた結果、「コロナ時のリモートワークが続くと想定してエリア設計していたことが敗因」と表明し、全国2000か所以上を対象にした集中対策を実施してきた。
その結果、再混雑時間帯で改善箇所の平均スループットは1.7倍に向上。また、大阪駅や名古屋駅といった東京都外の混雑エリアのスループットも向上させたという。さらに、鉄道路線など「線」への対策として、5Gと4Gの切り替え時間を高速化するなどの施策も実施してきた。
加えてドコモは、エリア改善のためにSNSのX(旧Twitter)投稿に注目してきた。前述の対策が奏功してか、ドコモの通信サービス品質に対するネガティブな投稿は、2023年12月時点では同年3月と比較して75%も減少したという。
新たな施策として、1月からd払いアプリをエリア改善に活用し始めたことも明かした。ドコモユーザーがd払いアプリで支払う際に、バーコードの表示までにかかる時間を収集。これを基地局の位置情報と紐付けることで、「ドコモが繋がりにくい場所マップ」を詳細に作成するというわけだ。
プライバシーの問題からスマートフォンのGPS情報は用いておらず、あくまで「どの基地局のどの周波数を使ったかのデータをひも付けている」という。これでも都市部では基地局が密にあるため、詳細に位置がわかるという。今後はユーザーの許可を取ってGPSで位置を収集することも検討する。
また、d払いアプリだけでなく、ドコモが提供する他の動画アプリやウェブサイトでもデータ収集を開始する方針だ。
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