[ブックレビュー]26年前に2020年の世界を予測した著者が描く未来予想--「2050年の世界」

フライヤー編集部2024年02月17日 08時00分
日本経済新聞出版社
内容:未来予測の本は数多い。内容はさまざまだが、共通しているのは、遠い未来になればなるほど予測が難しいということである。そんななか、世界でひときわ注目を浴びているのが本書だ。描き出す未来は2050年で、本書の出版からおよそ27年後となる。

 未来予測の本は数多い。内容はさまざまだが、共通しているのは、遠い未来になればなるほど予測が難しいということである。

 そんななか、世界でひときわ注目を浴びているのが本書だ。描き出す未来は2050年で、本書の出版からおよそ27年後となる。27年あれば大きな変化が起きるであろうことは想像にたやすい。しかし、具体的にどういう変化が訪れるのか、その輪郭を捉えることは困難だ。

 ところが、本書は「変化をもたらす5つの力」を特定することで、2050年に各国がどのような存在になるのか、説得力のあるシナリオを提示している。著者は1994年に「2020年 地球規模経済の時代」の原著を執筆しており、当時著者が描いた世界はおおむね現実化している。豊富なデータと経済学、地政学、歴史的な洞察をもとに、複層的に未来図を描き出すその手腕は、見事としか言いようがない。

 もちろん、本書とはまったく違う方向に世界が進む可能性はある。未来は複雑系の極致であり、何かが少し変わるだけで、最終的に大きな変化につながることもザラである。だが、変化が激しく先の見えない現代において、本書が予測と思考のための確かな足場を提供してくれるのは間違いない。教養書として読んでもおもしろいが、今後のアクションプランを考えるうえでも、きわめて有用な1冊である。

今回ご紹介した「2050年の世界 見えない未来の考え方」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。

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