ここ数年でペーパーレス化が進み、資料などをプリントすることが少なくなった。当然、ミスプリントも出ないので、裏紙を利用したメモ帳が心細くなりつつある。
何でもメモして、不要になったら丸めてポイ!そんな気軽に使えるメモの次世代版が、「Boogie Board papery(ブギーボード ペーパリー)」なのかもしれないと思う。
Boogie Boardは、米国「Kent Displays」の子会社である「iMPROV ELECTORONICS」が、2010年に販売した電子メモパッドのこと。アメリカで20万台を売り上げた大ヒット商品で、文具メーカーのキングジムが同年、輸入販売を始めた。
現在ではKent Displaysの技術を使って、キングジムがBoogie Boardのラインアップを拡大。大画面サイズやコンパクトなふせんサイズ、壁掛けモデル、2分割画面モデルなど、さまざまなタイプが登場している。
そんなBoogie Boardの最新モデルが、2月28日発売予定のBoogie Board paperyだ。今回、この新製品をお試しする機会を得たので、その使用感をお伝えしよう。
Boogie Boardの特徴は、スイスイ書いてパッと消せるところだ。感圧式の液晶画面なので、付属のスタイラス(描画用のペン)はもちろん、爪先などでも書き込むことができる。液晶画面に圧力をかけると分子の配列が乱れて光を遮断するので、その部分に文字や線が見える仕組みだ。
筆圧によって線の太さが変わるので、書道のとめ・はねなどの描写も可能。実際に書いてみると、紙にペンで書いているようなスムーズさで、文字の太さや細さも思った通りに描写することができた。
あれこれ書いたメモを、消去ボタンを押すことでスッキリ消せるのも気持ちいい。これは液晶画面に電気を通すことで分子が正しく配列するので、瞬時に元通りの何も書いていない画面になる。
そんなBoogie Boardの特徴に加えて、最新モデルのBoogie Board papery(以降、papery)は、ペーパリーというその名前の通り、本体が紙のようにペラペラで柔らか。マグネットが内蔵されているので、ホワイトボードや冷蔵庫などにも貼り付けられるのが便利だ。
サイズはSとMがあり、Sサイズが100mm×100mmの正方形、Mサイズが100mm×150mmの長方形。いずれも「スターターセット」は本体2枚と専用スタイラスがセットになっている。約30mm四方のステンレスシールが2枚付属しているので、スチール面以外にも装着することができる。
本体が3枚セットになった「追加シート」も、SとMサイズが用意されている。スターターセットの本体がアオとオレンジの2色だったのに対して、「追加シート」はアオ、オレンジ、ピンクの3色展開。記載する内容や、利用する人などを色分けして使うことができる。
このpaperyの特徴が活かせる使い方として、最初に思い付いたのが冷蔵庫に貼るメモだ。たとえば、お客様から冷菓をいただいた時など、その内容を他のメンバーに知らせるのに活用できる。
テープでメモを貼ると跡が残ったり、付せんやマグネットだと落ちてしまったりするので、本体ごとマグネットで貼り付けられるpaperyが便利。マグネットが左上部にあるので、付けた時に本体が傾くものの、意外としっかり装着できる。もし扉の開け閉めで本体が落ちてしまった場合にも、重さが約7g(Sサイズ)や約10g(Mサイズ)と軽いので危なくない。本体も0.5mmの厚さとペラペラなので、まず壊れる心配はないだろう。
色分けできることを活かして、部署ごとの通知を書いたり、案件ごとのタスクを書くのもいいだろう。複数使えば、ミーティング時にアイデアメモを書く付せん代わりにも使えそうだ。
付せんと違って紙ゴミが出ず、ずっと使えるところが環境に優しい。電池は専用スタイラスのみに入っていて、単6形アルカリ電池(AAAA)2本で約10万回消去できる。もちろん、電池交換も可能だ。なお、スタイラスを追加で購入する場合は2530円。
スイスイ書いてパッと消せるというキャッチフレーズ通り、メモを瞬時に消せるのが便利。とはいえ、消去する時は画面全部になり、部分的に消去できないところに不便さを感じた。例えば会議の通知などの場合、時間を変更するだけでも、すべて書き直しになってしまうからだ。シンプルな操作でわかりやすい反面、応用が利かない印象。書き直しが面倒な場合は塗りつぶせばいいので、そういった使い勝手からもメモらしさを感じる。
Boogie Boardに書いた内容を保存しておきたい場合は、「Boogie Board SCAN」というアプリが用意されている。アプリのカメラを立ち上げて撮影することで、画面を簡単に保存できる。機種を選択して自動でスキャンすることも可能。
ただ読み込んだデータの画質はあまりいいとは言えない。文字と一緒に細かい点みたいなものも表示されるので、気になる場合は編集機能で消すといいだろう。アプリ上で不要な部分を消したり、色を付けて強調したりもできる。読み込んだ画像は一覧表示され、フォルダ分けもできるので、個人的なメモと仕事用などを分けて保存できるところも便利だ。
電話しながらのメモや連絡事項、タスクなど、毎日、何かとメモをとるもの。これまでは書いたメモ紙を都度、捨てていたが、その必要がなくなる。窓口業務で確認のために個人情報をメモしたとしても、Boogie Boardなら瞬時に消去できるので、その様子を見せることで顧客が安心してくれるケースもあるそうだ。特にPaperyの場合は薄くて場所を取らないので、デスクに置いておきやすい。仕事はもちろん、家庭内の伝言メモとしても大いに活用できるだろう。
1月1日から電子帳簿保存法が施行され、書類のデジタル化が進む今。メモの方法も次世代式に移行していくタイミングなのかもしれないと思った。
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