「ChatGPT」が公開されてから1年というこのタイミングで、利用可能な人工知能(AI)ツール上位50件の使用に関する新しい調査結果が公開され、OpenAIのチャットボットであるChatGPTが、世界で最も人気のあるAIツールの座に輝いた。ChatGPTは、生成AIツールの使用が爆発的に増加した2022年9月から2023年8月の期間で、人気のツール上位50件への訪問数の60%を占めた。
この期間に、AIツールの使用が最も多かったのは米国と考えられている。この調査を実施したWriterbuddyは、AIツールを掲載するさまざまなディレクトリーからデータを収集し、3000件を超えるAIツールを調査した。その上で最も多く使用されている上位50ツールに対象を絞り、人々によるAIの使用方法を調査した。
最も訪問数が多かったのはChatGPTだったことに、何の驚きもないはずだ。2022年9月から2023年8月までの間の合計訪問数は146億回。ChatGPTの公開が生成AIブームのきっかけとなり、利用可能な他のAIツールへの関心を巻き起こした。
なお、上位50件の中で増加幅が最も大きかったのはChatGPT、「Character AI」「Google Bard」の順だった。
WriterBuddyのSujan Sarkar氏によると、「最初に人気が爆発してから、その過熱状態は2023年5月まで続き、5月の月間訪問数は過去最高の約41億回に達した。そこで初めて同業界のトラフィックが減少に転じ、12億回減少した」という。
AIツール上位50件の合計訪問数は240億件超で、成長率は10.7倍、訪問数の平均月間増加幅は2億3630万回だった。全般的に、これらのAIツールのこの1年間の平均月間訪問数は20億回で、直近6カ月間では33億回に急増した。
「Quillbot」と「Midjourney」は、最もアクセスされたAIツールのトップ5に入っていたが、いずれも過去1年の間にトラフィックが減少している。これは、他のAIツールのトラフィックが爆発的に増加したのとは対照的で、ChatGPTの公開以来、さまざまな種類のツールが幅広く作成されたことに起因すると考えられる。Midjourneyの訪問回数は過去1年間で870万回、Quillbotは510万回減少した。
チャットボットや文章生成AIが最も人気で、先に挙げたChatGPT、Character AI、Google Bardはこの分野に含まれる。次に人気だったのは、「Midjourney」「DeepAI」「Craiyon」などの画像生成AIだった。デザインや動画生成、音声/音楽生成AI、その他の分野がこれに続く。
AIツールの使用が最も多かったのは、力強い技術市場が確立された、米国やインドなどの国だった。米国は、さまざまなツールの合計訪問回数が55億回と最も多く、AI業界の世界トラフィックの約22.6%を占めた。欧州連合(EU)各国は合計で39億回だった。
注目すべき点として、AIツールの訪問数が2番目に多かったのはインドで、訪問数は21億回と、この1年間の世界のAI使用の約8.5%を占めた。
男性のほうがAIを利用する傾向が高く、全体の69.5%を占めている。この調査では利用傾向に男女差がある理由について言及していないが、社会の中でそれぞれの果たす役割の違いがこうした差を生んでいる可能性があると考えられる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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