大和ハウス工業、建設DXへの取り組み語る--「守り」と「攻め」のDXを両立

 大和ハウス工業は11月29日、「建設DX」をテーマに業界動向勉強会を開催。建設業界や自社における「2024年問題」に対する取り組み、第7次中期経営計画の中での進捗などについて語った。

左から、大和ハウス工業で上席執行役員技術統括本部副本部長を務める河野宏氏、技術統括本部建設DX推進部次長を務める宮内尊彰氏
左から、大和ハウス工業で上席執行役員技術統括本部副本部長を務める河野宏氏、技術統括本部建設DX推進部次長を務める宮内尊彰氏

 大和ハウス工業で上席執行役員技術統括本部副本部長を務める河野宏氏は、まず第7次中期経営計画について説明。経営計画を達成するためにDXは欠かせないとし、顧客体験価値の向上、サプライチェーン進化、技術基盤の強化を行っていく中で、持続的な成長モデルを構築していきたいと語った。また、建設プロセスにおけるデジタル戦略として、同社で2017年から推進しているBIMと、2019年からプロジェクトを開始しているデジタルコンストラクションを関連させながら、取り組みを進化させていくとした。



 河野氏はさらに、今後は生産性向上や業務効率化のような「守りのDX」から、収益力向上や新規事業創出などの「攻めのDX」につなげていき、自社だけでなく業界全体で改革していくことが重要だと語った。

「守りのDX」と「攻めのDX」を両立していくという
「守りのDX」と「攻めのDX」を両立していくという

 続いて大和ハウス工業で技術統括本部建設DX推進部次長を務める宮内尊彰氏は、自社におけるDXの具体的な取り組みについて説明。住宅系の取り組みでは、スマートコントロール環境による業務効率化を行っており、総合カメラ管理システム「D-Camera」などによって、建設現場を遠隔で捉えているとした。またデジタルデータ、デジタルエビデンス数で振り返る取り組み効果を公開し、CO2排出量の削減など環境に対する貢献も進めていると説明した。

デジタルデータ、デジタルエビデンス数で振り返る取り組み効果
デジタルデータ、デジタルエビデンス数で振り返る取り組み効果

 建築系の取り組みでは、BIMデータの活用が広がっているとし、同社が展開する「D’s BIM ROOM」(ディーズビムルーム)を紹介。D’s BIM ROOMは、建材情報が紐づいたBIMデータをXRで視覚化し、仮想空間上で原寸大表示しながら建物の仕上がりを確認できる。

 また宮内氏は、DX推進に向けた企業風土を醸成していくことも重要だと語る。同社では技術系従業員を対象にオンラインイベントを実施し、日本マイクロソフトで執行役員常務を務める前川敦氏などが発表する中、リアルタイムでコメント入力ができるようにするなど、双方向のコミュニケーションを行ったとした。

 「DXにはテレワークツール導入のような業務効率化を図るものから、データを連携してBIMを活用するものまで幅広い。取り組みの深さや情報活用の幅を今後も広げていき、ステップに合わせて組織体系も構築していく」と、宮内氏は今後の展望を語った。


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