大和ハウス工業は10月5日、同社が実施した「注文住宅の満足度」に関する調査の結果を発表した。注文住宅購入者の約4割が、家づくりに対して何かしら後悔していることが判明した。
調査は9月4日から6日までの期間、全国に住む25歳から84歳の、過去5年以内に新築した注文戸建住宅に住んでいる人を対象に、インターネット調査で実施し、集計対象は1000名となった。
まず、自分の理想に近づけられる「注文住宅」を購入したにも関わらず、購入者の約4割にあたる39.3%が、自宅に対して何かしらを「後悔している」と回答。「非常に満足」と回答した人は19.3%と、約2割にとどまった。
家づくりの際にこだわった点については、70.2%が「間取り」と回答した一方で、一番後悔している点についても、約半数の51.4%が「間取り」と回答し、最も多かった。
大和ハウスは、調査結果から、間取りへの期待値は高くも、居住前の段階で満足度を高める仕上がりにするのは難しいことが分かったとし、間取りに限らず、家づくりの段階でこだわった点が、必ずしも居住後の満足度を高めるとは限らないと分析した。
また、家づくりを助けるツールが多様化しているにも関わらず、88.4%は実際に建てた住宅展示場に足を運んだと回答。そのうち78.6%が、実際に建てた住宅展示場が「参考になった」と回答した。
その一方で、実際に建てた住宅展示場で「参考にならなかった」ものとしては、「間取りのイメージができない」との回答が、61.3%と最も多い結果となった。また、家を初めて購入した人は、「収納」「配線」「使い勝手」「部屋の広さ・配置」等、購入前にイメージがつきにくいポイントに後悔する傾向があった。
大和ハウスでは、自由度の高い注文住宅においても、居住後に後悔する人や、満足度の高くない人が一定数存在し、特に間取りについては、家づくりの段階で住居後のニーズに高づけることが難しいと分析している。
そのような状況において、VR(3Dシミュレーション)を使用した場合、61.3%が「自宅への後悔が減ると思う」と回答。大和ハウスによると、現在のVR利用率は3割程度に留まるものの、今後家を建てるとした場合については、72.5%が「VRシミュレーションを利用したい」と回答している。
さらに、住宅展示場の見学に加え、VRを使用した人は、使用しなかった人と比較して、家づくりに「後悔している」と回答する人の割合が約10%低く、「間取り」に対しても「満足している」と回答した人の割合が約10%も高まる結果となった。
大和ハウスでは、XR技術の進化に伴いともない、家づくりにおいて住宅をVRで体感することが可能となり、実際のVR使用者も直近3年間で増加傾向にあることから、今後もVRなどの3Dシミュレーションによるプレゼンテーションが加速すると予想。平面図だけでなく、VRを用いて空間構成を把握することで、「こんなはずじゃなかった」という失敗の軽減が期待できるとしている。
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