シャープ呉CEOが話した鴻海グループとの連携可能性と「SHARP Tech-Day」の手応え

 シャープ 社長兼CEOの呉柏勲(Robert Wu)氏は、11月20日、社内イントラネットを通じて、CEOメッセージを配信した。CEOメッセージを配信するのは、2023年7月以来、4カ月ぶりとなる。今回のテーマは、「Be a Game Changer」。11月10日から3日間に渡って開催した同社初の技術展示会「SHARP Tech-Day」で掲げたテーマと同じ言葉を用いた。なお、SHARP Tech-Dayを2024年以降も継続開催する方針も示したほか、2024年には新たな中期経営計画を発表することも明かした。

シャープ 社長兼CEOの呉柏勲(Robert Wu) 氏
シャープ 社長兼CEOの呉柏勲(Robert Wu) 氏
  1. 呉社長兼CEOが第2四半期決算についてコメント
  2. 「共感」を「協業」へつなげる「SHARP Tech-Day」の狙い
  3. オールシャープの総力を挙げて業績改善に邁進

呉社長兼CEOが第2四半期決算についてコメント

 最初に、呉社長兼CEOは、11月8日に発表した2023年度第2四半期決算について総括した。決算説明会には、呉社長兼CEOと、副社長兼CFOの陳信旭(Branden Chen)氏の出席が予定されていたものの、開始30分前に、突然、欠席が通知されたこともあり、呉社長兼CEOが同決算に関してコメントするのはこれが初めてとなった。

 呉社長兼CEOは、「上期(2023年4~9月)は、前年同期比減収減益となったが、各利益は赤字となった前期から大幅に改善し、経常利益および最終利益は黒字となった。また、第2四半期(2023年7~9月)では、売上高は前年同期を下回ったものの、PC事業や通信事業の構造改革の進展などが影響したスマートオフィスおよびユニバーサルネットワークでの収益改善、ディスプレイデバイスの赤字幅縮小などにより、利益は前年同期から改善。営業利益および経常利益は5四半期ぶりに黒字を確保することができた」と振り返った。

 その上で、「上期の業績が期初の想定内で推移したことから、今回の決算では通期業績予想を据え置いた。しかしながら、2023年度は当初から後半傾斜の収益計画であることに加え、各国における金融引き締めの影響や地政学リスクのさらなる高まりなどを背景に、個人消費が今後も低迷する可能性が高いなど、引き続き予断を許さない状況にある。今後も厳しい事業環境が継続する見通しだ。本社、事業グループ、事業本部、事業部の各レイヤーにおいてPDCAを着実に実践し、全社一丸となって業績改善に取り組もう」と呼びかけた。

「共感」を「協業」へつなげる「SHARP Tech-Day」の狙い

 2つ目が、「SHARP Tech-Day」である。SHARP Tech-Dayは、同社が創業111周年を迎えたことにあわせて、1並びとなる11月11日を中心とした11月10~12日の3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催した同社初の大規模技術展示会である。

創業111周年を記念し実施した「SHARP Tech-Day」
創業111周年を記念し実施した「SHARP Tech-Day」

 冒頭に触れたように、「Be a Game Changer」をテーマに、「Smart Living」「Smart Industry」「Smart Cities」「Sustainability」の4つのゾーンにわけ、AIやXR、EV関連など42種類の展示を行い、5000人を超える来場者があったという。

 呉社長兼CEOは、「非常に盛況でエネルギーあふれる展示会で驚いた」「展示の質が高く量も多いので取材題材の選択に苦労するほどだった」「シャープの技術によって、人々の暮らしや産業がより便利に快適に変わっていく姿が想像できた」などの来場者の声を紹介しながら、「未来に向けた当社の技術の可能性を体感してもらい、多方面から好評であった。無事成功を収めることができた」と自己評価。今回、SHARP Tech-Dayを開催した2つの狙いについて説明した。

 1つ目は、「新規事業の創出、新産業への挑戦の加速」だ。「今後、シャープが持続的に成長するためには、既存事業の商品力強化やサービス事業の立ち上げに取り組むとともに、今後市場拡大が期待される新たな分野に積極的に挑戦し、ビジネスモデルを変革していくことが重要である。その成功の鍵は『スピード』だ」と述べ、「SHARP Tech-Dayを通じて、多くの方々にシャープが目指す未来に『共感』してもらった。だが、今後は、この『共感』を『協業』へとつなげ、社外パートナーの力を借りつつ、スピードをあげて新たな顧客価値創出を具体化していかなくてはならない。シャープならではのGame Changeを次々と実現していきたい」と抱負を語った。

 2つ目は、「社内にイノベーションの魂を再び呼び覚ますこと」だ。呉社長兼CEOは、SHARP Tech-Dayの開催に至るまでの一連のプロセスに携わった社員が、さまざまな困難に直面する一方で、Game Changeを目指す楽しさや、やりがいを改めて実感したのではないかと推察しながら、「その想いこそが、シャープのDNAであり、成長の原動力である。このSHARP Tech-Dayの取り組みは2024年以降も継続していく。これをひとつの目標として、今後も独自技術の開発、新たな価値創出に励んでほしい」と述べた。

オールシャープの総力を挙げて業績改善に邁進

 また、「新たな顧客価値、他社に真似されるような商品やサービスを創造し、社会のイノベーションを牽引することが私たちの使命である。今後も『Be a Game Changer』を合言葉に、全員の力で未来を切り拓いていこう」とした。

 メッセージの最後に呉社長兼CEOは、「新たな成長戦略を構築すべく、既存事業の拡大戦略はもとより、新産業への参入戦略や技術戦略、構造改革などについて、経営層で議論を重ねている。また、7月以降、鴻海精密工業 董事長の劉揚偉氏が、何度もシャープを訪問し、今後の方向性や、その実現に向けた鴻海グループとの連携の可能性などについても意見を交わしている。これらを取りまとめ、2024年には中期経営計画を発表する考えである」と述べ、「次の成長に向けた発射台となる2023年度の業績は非常に大きな意味を持つ。非常に厳しい事業環境下ではあるが、オールシャープの総力を挙げて業績改善に邁進しよう。そして、次のステージへと歩みを進めていこう」と締めくくった。

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