英国のスマートフォンメーカーNothing Technologyが現地時間11月14日に発表した新しいメッセージングアプリ「Nothing Chats」は、Appleの「iMessage」サービスと同様の機能を「Android」スマートフォンで利用できるようにするものだ。ただし、Appleが公認していないのは確実なので、その仕組みに細心の注意を払った方がいいだろう。
Nothing Chatsは、Nothingの主力スマートフォン「Nothing Phone (2)」を対象に、17日にベータ版が北米、英国および欧州連合(EU)の「Google Play」ストアでリリースされる。Nothing Chatsは、同様にベータ段階にあるクロスプラットフォームのメッセージングサービス「Sunbird」を利用してAppleのiMessageサービスをサポートする。これにより理論上、Nothing Phone (2)のユーザーは「iPhone」ユーザーに対し、自らもiPhoneを使っているかのように青い吹き出しで表示されるメッセージを送信できるようになる。Nothing Chatsはまた、他のAndroidスマートフォンにテキストを送信するメッセージング規格として、SMSおよびMMSとともにリッチコミュニケーションサービス(RCS)をサポートする。
Appleにコメントを求めたが、すぐに回答は得られなかった。
iPhoneとAndroidデバイスの垣根を越えて動作するクロスプラットフォームのメッセージングサービスは、「WhatsApp」「Signal」「Telegram」など多数あるが、友人や家族にテキストを送る主な手段として標準のメッセージングアプリを使いたがる人は多い。iPhoneの「メッセージ」アプリに組み込まれているAppleのiMessageサービスは、強化されたメディア共有、セキュリティ、ゲームなど、iPhoneユーザー間でのみ送信可能な機能を備えることで、米国では特別な文化的優位性を確立している。競合サービスも大抵同等の機能を提供しているものの、そうした機能が「iOS」に組み込まれていることの利便性がしばしば強みとなり、iPhoneユーザーがAndroidスマートフォンを検討しない理由にもなっている。
Nothing ChatsでiMessageを設定するには、まず599ドル(日本では7万9800万円)のNothing Phone (2)が必要だ。Nothingの担当者によると、このアプリは現在、初代の「Nothing Phone (1)」や他のAndroidスマートフォンでは動作しないという。
Nothing Chatsの前にも、AndroidスマートフォンからiMessageテキストを送信できるようにするサービスはいくつかあったが、いずれもそれほど単純ではない。「Beeper」もiMessageや他のチャットアプリへのアクセスを提供することを目的としている。「AirMessage」では「Mac」を常時起動して、Androidスマートフォンにメッセージを転送できるようにする必要がある。これらの方式は、AndroidスマートフォンがiMessageのテキストを送受信することを可能にするかもしれないが、それぞれ固有のセキュリティ上のトレードオフを伴う。また、Appleが純正のiMessageサービスに新機能を加えてアップデートする際、他社のサービスが同等の機能ですぐに追従する可能性は低い。
Nothing Chatsこの記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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