Nothingは2021年に初めての製品を発表して以来、かなりの名声を獲得している。これまでにさまざまな消費者向け製品を発売しており、先頃、事業拡大のために9600万ドル(約130億円)を調達したばかりだ。だが、同社が米国時間7月11日に行ったことは、これまでで最も重要なビジネス上の決定だったのかもしれない。
Nothingは7月17日に米国で初めて自社のスマートフォンを発売する(日本では25日に発売予定)。Carl Pei氏が同社を創設して以来、誰もが予期していた動きだ。Pei氏には、中国のスマートフォンメーカーOnePlusを国内(そして、世界)で成功に導いた実績がある。米国でのスマートフォン発売という展開は、これまで国外の新興メーカーが苦戦を強いられてきた動きでもある。
しかし、一連のキャリアネットワークの認可、米国を拠点とするコミュニケーションチームの確立など、さまざまな障壁を乗り越えて、Pei氏とNothingは市場のリーダーであるAppleやサムスン、Googleから王位を奪う(あるいは、とりあえず市場に風穴を開ける)準備を整えた。Pei氏がかつて創設に関与したOnePlusも、Nothingのターゲットリストに名を連ねている。
「Nothing Phone (2)」は、このブランドで最新のフラッグシップスマートフォンだ。筆者は先週末、このスマートフォンをメインの機種として使用した。カメラとバッテリー持続時間についてはまだ言及できないが、改善された「Glyph Interface」や「Nothing OS 2.0」ソフトウェアを含むNothing Phone (2)の印象について語ることはできる。真面目な話、Nothing OS 2.0だけでも、同機に期待する十分な理由になり得る。
Nothing Phone (2)は、開梱の体験から手に持った感触まで、「Nothing Phone (1)」の後継モデルとして期待される要素をすべて備えている。Nothing Phone (2)も、前モデルに近い大型の6.7インチディスプレイ、丸みを帯びた角、フラットなエッジ、フラットディスプレイ、透明の背面カバーの下に複雑に配置されたLEDストリップを採用している。
Nothing Phone (2)では、ディスプレイの最大輝度が1600ニトに強化されたので、屋外で使用するときや、自動車と接続してナビゲーションとして使うときに、とても頼もしかった。120HzのOLEDパネルは、必要に応じて、見事に明るくなったり、驚くほど薄暗くなったりする。これは、現代のすべてのスマートフォンで享受できる機能ではない。自動の輝度調整が強引すぎたり、遅れたりするスマートフォンも多いが、Nothing Phone (2)の環境センサーは反応が優れており、適切な明るさに調節してくれる。
Nothingが筆者に話してくれたところによると、Nothing Phone (1)のデザインの大部分を継承したのは意図的なことであり、過剰な革新性よりもブランドのアイデンティティーを重視してのことだったという。したがって、残念ながら前モデルと同様、Nothing Phone (2)も決してコンパクトなスマートフォンではなく、中型のスマートフォンでさえない。Nothing Phone (2)の滑らかな側面は非常に滑りやすいので、筆者はこのスマートフォンを他のテスト機よりも慎重に扱わなければならなかった。つるつるとした表面に同機を置くときは、慎重になった方がいいだろう。
デバイスを慎重に扱わなければならないというのは、本体を大量の水や埃にさらさないように気をつけなければならない、ということも意味する。Nothing Phone (2)の防水防塵性能はIP54等級だ。つまり、飛沫や少しの水滴には耐えられるが、それ以上の防水性能はない。繰り返しになるが、本体の背面には点灯するLEDが大量に配置されているので、水没させるおそれがある場所に持っていくのは賢明な判断ではない。
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