日本エイサーは11月9日、台湾ハムグループが製造するプラントベースフード「NO MEATING」(ノーミーティング)の日本国内総代理店として展開を開始すると発表した。2024年1月からヴィーガン商品のECサイト「ブイクックスーパー」で先行販売し、日本国内市場での本格展開は春を予定している。
台湾ハムは、1967年に高崎ハムとの合同出資により創立し、日本への豚肉輸出を展開してきた。また、60年にわたり食肉を扱ってきた技術を活かし、2020年に子会社「緒裕バイオテック」を設立。台湾食品工業発展研究所との共同開発により、プラントベースフード「NO MEATING」が生まれたという。
エイサーグループのコアビジネスは、PCやモニター、ライフスタイル家電などのITビジネスにある。日本では、コンシューマー市場における国内モニターシェアは1位という。そのエイサーが、なぜプラントベースフードなのか。
日本エイサー 代表取締役社長のボブ・セン氏は、「近年は事業の多角化と強靭化を図り、本社では交通インフラシステム、医療機器、ITサービスやグローバルの流通などより幅広い分野のビジネスを展開している。台湾ハム会長のハリソンさんたちと出会い、美味しいものを日本にも届けたいという強い気持ち、そして企業としてESGやSDGsを尊重する姿勢に強く感銘を受けた。台湾ハムとNO MEATINGのブランドを日本でも大切に育てたいという意向を聞き、今回の提携を決定した」と説明した。
なお、2022年度における国内のプラントベースフード市場は約411億円規模で、年間成長率は30%に達しているという。日本エイサーはまず市場の1%の獲得を2024年度に目指すとしている。
NO MEATING特長は、特許製法「筋繊維化プロテインファイバー技術」によって、肉や魚の筋繊維や身の状態、食感をリアルに再現し、味と見た目、さらには美味しさにこだわった点にあるという。日本エイサー Next Acer担当部長の石岡宣慶氏は、これを「第3世代のプラントベースフード」と自信を見せる。
第1世代ははんぺんなどの練り物で、切ると断面が平らで食感も練り物感が拭えないもの。第2世代は、筋繊維化プロテインファイバー技術を使用した植物性肉を指す。今回の第3世代と呼ぶ商品は、「筋繊維化プロテインファイバー技術を進化させ、味・風味をあらかじめ含んだ状態で成形することに成功した商品。ヴィーガンやベジタリアンの方だけに向けたものではなく、“美味しいから食べる、日々の食材”として選択してもらえるように味・食感にこだわっている」と説明した。
また、緒裕バイオテック(NO MEATING)会長のフランシス・チャン氏も、「NO MEATINGは皆様にベジタリアンやビーガンになることを勧めているのではなく、シンプルに美味しいから選ぶ、そうした新たな選択肢を提供したい」とコメントした。
製品は、揚げるだけの衣がついた状態のフィッシュフライやとんかつ、冷凍の餃子、魯肉飯、ハンバーグ、台湾ジャーキー、台湾ふりかけ、鱈の蒸し物風、ハラミ焼肉風、贈答用に台湾ふりかけと台湾茶のセットなどを展開予定だ。
発表会には、ゲストとしてプロゴルファーの古閑美保さんが登壇。プラントベースフードは、「パサつき、味が良くないと印象があったが、でも体作りのために仕方なく選んでいた」と明かした。
リハーサルでは試食せず、リアルな感想を伝えたかったという古閑さんは、植物性ミート餃子とフィッシュフライを試食。「とても美味しく、パサツキがなく食べやすい。ジューシーで香りも本物のよう。言われなければプラントベースフードと思わない」と絶賛した。
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