レアアースを必要としない永久磁石の開発に取り組んでいるNiron Magneticsは、新たに3300万ドル(約49億8100万円)の資金を調達した。この出資には、General Motors(GM)の投資ファンドGM Ventures、Stellantisの投資ファンドStellantis Ventures、ミネソタ大学などが参加している。
電気自動車(EV)は、カーオーディオや燃料ポンプ、エアコンなどさまざまな機器に永久磁石を内蔵しているが、特に駆動モーター内の磁石は重要だ。モーター用の強力な磁石には、テルビウムやジスプロシウム、プラセオジム、ネオジムなどの、輸入に頼っている高価なレアアース(希土類元素)と呼ばれる素材が使われる。
Niron Magneticsは、豊富に存在していて安価な窒化鉄を材料とする、レアアースが不要な永久磁石「Clean Earth Magnet」を開発。このレアアースフリー磁石は、EV用モーターに使用可能な性能を備えるという。さらに、現在EVに使われている磁石よりも、温度変化の影響を受けにくいそうだ。
GMは、Niron Magneticsに出資したほか戦略的提携を結び、Clean Earth Magnetを使ったEV用モーターの共同開発に取り組む。このモーターは、将来のGM製EVに搭載する予定。この取り組みを通じ、北米におけるEV製造サプライチェーンの安定強化を図る。
Niron Magneticsに対しては、Volvo Carsのベンチャーキャピタル部門、Volvo Cars Tech Fundも出資している。
Clean Earth Magnetの紹介ビデオ(出典:Niron Magnetics/YouTube)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」