国立科学博物館、目標1億円のクラファン達成--支援者数、支援額ともに国内記録を更新

 国立科学博物館は11月6日、目標金額1億円として実施したクラウドファンディングの結果を発表した。約5万7000人から、約9億1700万円の支援があったという。

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 国立科学博物館が実施したクラファンは、「READYFOR」を活用し、「地球の宝を守れ|国立科学博物館500万点のコレクションを次世代へ」のプロジェクト名で、8月7日から11月5日まで実施。開始後9時間で目標金額の1億円を達成するなど、国内クラファン史上最多支援者数と同時に、最高支援額を更新したという。

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 集めた支援金は、約3億2000万円を間接経費(返礼品など)として支出し、約6億円を事業経費として活用する。事業経費の内訳は、コレクションの充実・管理に約4億4000万円、他館と協働したコレクションの充実に約1億円、標本・資料収集意義の発信に約6000万円となる予定。

 なお、コレクションの充実・管理では、標本・資料の維持・管理・修復状況の改善・充実など、ナショナルセンター機能の充実を含むという。また、他館と協働したコレクションの充実では、収蔵標本のレプリカの作成・提供、他館収蔵標本のレプリカ制作の受け付けのほか、全国的な災害リスクへの準備、発生のレスキュー対応といったネットワーク機能の強化などを含む。標本・資料収集意義の発信では、既存キットを活用した特別巡回の実施や、他館と協働する新たな巡回展の開発・実施を予定する。

 国立科学博物館は、「地球や生命の歴史と現在、科学技術の歴史」を研究するため、標本・資料を収集している。

 収集対象は、動物、植物、菌類標本、生きた植物、鉱物、化石、人骨、科学技術史資料など多岐にわたり、60人を超える各分野の研究者がこれらの標本をもとに日夜研究に励んでいる。

 今回、クラウドファンディングの成功に向け、コレクションの多様性や奥深さ、そこにかける研究員たちの熱意を伝えることを意識し、さまざまな取り組みを実施。研究員・職員一同でアイデアを出しあい、200以上の候補の中から40種類以上のリターン(返礼品)を選定。リターンからもコレクションの重要性や魅力を発信できるように考慮したという。

 例えば、「筑波実験植物園内で落葉やどんぐり採取を特別体験(中学生以下対象)」「かはくスクールプログラム『骨ほねウォッチング』を体験」などの学生・子ども(家族)向けリターンや、「化石コース」「鉱物コース」「昆虫コース」といったバックヤードツアーなどを用意した。

 そのほか、クラファン開始前のカウントダウンから実施期間中には、「X」(旧Twitter)を利用したコレクションクイズを実施。研究者の熱意を直接届ける動画「かはくの偏愛研究室」の配信、活動報告記事の公開などにも取り組んでいた。

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プレスリリース
地球の宝を守れ|国立科学博物館500万点のコレクションを次世代へ

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