プロユーザーが最も安価な「M3」搭載「MacBook Pro」を購入すべきたった1つの理由

　Appleは米国時間10月30日、 14インチと16インチの「MacBook Pro」と24インチの「iMac」という3種類の新型「Mac」コンピューターを発表した。そのすべてに、同社の最新シリコンチップ「M3」が搭載されている。「Scary Fast」の基調講演を視聴した人なら（基調講演は通常よりもはるかに短く、適切な長さだった）、その要旨は以下のとおりだったという筆者の意見に同意してくれるだろう。

提供：Apple

1. Appleはカラー展開がうまい
2. M3チップセットによって、性能と効率は大幅に向上する
3. 14インチのMacBook Proの最低価格は1599ドル（日本では24万8800円）となり、これまでよりも安価になった

　3つの中で最も興味深いのはおそらく、最後の項目だ。 Appleは、MacBook Proの13インチモデルを正式に廃止し、代わって14インチの新型MacBook Proの基本構成を最下位モデルとした。このモデルは比較的手ごろな価格で、わずか8GBのRAM、 8コアのCPU、10コアのGPUを搭載する。Thunderbolt／USB-Cポートも2つしかない（「M3 Pro」と「M3 Max」搭載版は3つ）。Appleがこのモデルをどのように位置付けているかがお分かりいただけただろうか。

　グラフィックス設計、ゲーム開発、動画編集、人工知能（AI）／機械学習のワークフロー処理に1日何時間も費やす「プロ」ユーザーにとっては、新しいM3搭載MacBook Proのこの基本モデルは、その価格どおりの性能しかなく、明らかに力不足だ。一方、M3 ProやM3 Maxを搭載する構成は、Appleが30分間の基調講演の大半を費やして実演した、クリエイティブなユースケースに対してより高い性能を発揮するだけでなく、新色のスペースブラックも提供されている。

提供：Apple

　したがってプロユーザーは、最も安いM3搭載MacBook Proを検討するべきではない。1つの例外は、米ZDNETのJason Hiner記者が指摘しているように、大量導入や大規模なシステム管理のために、企業がコンピューターを購入する場合だ。その場合は、コスト削減というメリットがある。

　さらに、M3搭載MacBook Proのバッテリー持続時間は最大22時間だ。移動が多く、耐久性を重視するユーザーにとって、これは（価格を除けば）1599ドルのMacBook Proの最大の魅力となるはずだ。

　それはともかく、ベースモデルのMacBook Proには、上位モデルと同じく「ProMotion」技術を搭載した素晴らしい色精度の「Liquid Retina XDR」ディスプレイのほか、HDMIポートとSDXCカードスロットなども搭載されている。

　すでに生産終了となった13インチMacBook Proを検討していたユーザーは、最新のM3搭載MacBookに十分な価値を見出せるだろう。一方、より大きなパワーを求めるプロフェッショナルにとっては、価格より何より、システムのニーズと将来性を優先した方がいいことは間違いない。