ソニーグループとヤマハ発動機、新移動体験サービス開始--「MR:Ride」など

 ソニーグループは10月19日、ヤマハ発動機とともに、「Sociable Cart(ソーシャブルカート)SC-1」を用いた複合現実(Mixed Reality)サービス「MR:Ride」と、車両周囲の人も楽しめる移動体験サービス「Zoromo(ゾロモ)」を開始したと発表した。


 SC-1は、ソニーグループがヤマハ発動機と共同開発した、乗車定員5名の車両。全長3135mm、全幅1306㎜、全高1830mmの車体に、リチウムイオンポリマー電池を搭載し、DCモーター駆動により最高速度19km/hで走行する。

 人の視覚能力を超えるイメージセンサーを、車両前後左右に搭載し、人が視認しながら運転する一般的な自動車と違い、360度全ての方向にフォーカスが合された映像で、周囲の環境を把握することが可能だ。

 イメージセンサーの超高感度な特性と、内部に設置された高解像度ディスプレイにより、乗員は夜間でも、ヘッドライトなしに周囲を視認することができる。クラウドを介してそれら映像を確認することで、乗員の操作による運転に加え、遠隔地からの操作による走行も可能となる。

 今回サービスを開始するMR:Rideは、SC-1に乗車するサービスで、上野恩賜公園の歴史や各所の説明を聞きながら楽しむ「バーチャル乗馬ツアー」と、まるで上野恩賜公園が海の世界になったかのようなMR体験ができる「上野アクアリウム」の二つから選択できる。乗車時間はそれぞれ約10分。

 また、SC-1は、イメージセンサーで周囲を捉えていることから窓が不要となり、代わりにその領域に高精細ディスプレイを配置することで、広告やさまざまな映像を、車両の周囲にいる人に対して映し出すことができる。Zoromoは、SC-1に乗車していない周囲の人も、車両の周囲に展開される関連映像や音声を楽しむことができるサービスとなる。

 なお、ソニーグループでは、2016年にSC-1の原理試作機を開発し、2017年に試作機を完成。2018年には、沖縄のゴルフ場において、SC-1で夜間走行しながら、ARで映像や音声コンテンツ提供する「Moonlight Cruise」を実施している。

 今回のサービスで用いたSC-1は、Moonlight Cruiseやその他走行試験を経て蓄積されたノウハウやフィードバックをもとに、ヤマハ発動機と共同開発したモデルで、乗車可能人員の拡張(試作機の3名から5名へ)や、交換式バッテリーによる稼働時間の延長、搭載イメージセンサー数の増加による車体前後の視認範囲の拡張、車両デザインの刷新、ベース車両の最適化による乗車フィーリングの向上などを実現している。

プレスリリース

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