Getty Imagesは米国時間9月25日、自社の充実したコンテンツライブラリーを活用した独自の画像生成AIツール「Generative AI by Getty Images(生成AI by Getty Images)」を発表した。同社は、報道機関やマーケティング担当者などがメディアコンテンツの作成に利用できるデジタル素材を、豊富に取りそろえていることで知られている。
プレスリリースによると、この画像生成AIツールはGetty Imagesが所有する膨大な素材ライブラリーに含まれるコンテンツのみを使って画像を生成する。また、生成した画像の商用利用には無制限の補償も付帯する。
生成された画像にはGetty Imagesの標準的なロイヤリティーフリーライセンスが付与されるため、利用者は法的トラブルを心配せずに、安心してコンテンツを使用できる。
Generative AI by Getty Imagesのもう1つの大きな特徴は、AIモデルの学習に使われたコンテンツのクリエイターに対価が支払われることだ。
Getty Imagesの最高経営責任者(CEO)Craig Peters氏は、「クリエイターの知的財産を尊重しながら、生成AIのパワーを活用して顧客の商業的ニーズに対応するツールを発表できることをうれしく思う」とコメントしている。
プレスリリースによると、この新しい生成AIツールの学習には、ビジュアルデザイン用のカスタム生成AIモデル「NVIDIA Picasso」の一部である「Edify」基盤モデルが利用されているという。
Getty Imagesのユーザーは、同社のウェブサイトから試用版の利用を申請できる。
Getty Imagesは2月、同社が所有する画像をAIモデルの学習に無断で利用したとして、テキストから画像を生成するAIモデルの中でも、特に人気の高い「Stable Diffusion」の開発元であるStability AIを提訴している。
Generative AI by Getty Imagesは、画像生成AIにつきまとう難題に取り組もうとしている。例えば「DALL・E」のようなモデルは、インターネット全体から集めたコンテンツを画像生成ツールの学習に利用するため、クリエイターの画像が無断で新しい画像の生成に利用されるという問題が生じていた。
この問題を解決するために、Adobeは画像生成AI「Adobe Firefly」を発表した。
Adobe Fireflyモデルの学習には、Adobeが所有するストック画像や著作権が切れているパブリックドメインのコンテンツが使われている。また、Fireflyモデルの学習に使用されたコンテンツのクリエイターには報酬が支払われる。
プレスリリースこの記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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