イベントビジネスを手掛けるフロンティアインターナショナルは9月14日、自社にベンチャー投資室を新設し、ベンチャー投資を本格化させると発表した。イベント業界の企業では初の試みだといい、投資枠として20億円を設定。「体験」を軸足に、自社とのシナジーを前提とせずに幅広い領域に投資するという。
主にシードとアーリーステージの起業家、スタートアップを中心に、一部ミドルやレイターにも出資する。投資規模は1000万〜1億円程度を予定する。
同社は、イベントなどを含む「体験機会」の創造によって、企業が抱える様々なマーケティングの課題を解決する「体験創造カンパニー」を標榜している。また、事業開発からブランディング、プロモーション、店頭販売支援まで「心を動かす体験創造」を軸にしたソリューションを提供している。
同社はこれまでもベンチャー投資を実施しており、すでに2社がIPOに至っている。投資室の新設で投資活動を本格化させる。
ベンチャー投資室で室長を務める椎葉圭吾氏によると「弊社は第2創業期にあたる」といい、従来のマーケティング・プロモーションにおけるイベントや店頭活動だけでなく、体験創造がもたらす可能性の幅広い領域への展開に挑戦している最中だという。ベンチャー投資の拡大もその一環となる。
イベント業界の企業でベンチャー投資を本格化するのは同社が初だという。ベンチャー投資を本格化させる理由について椎葉氏は「非連続な成長をめざすため」とし「イベント業とのシナジーは前提にせず、幅広いスタートアップや起業家に投資や支援を実施する」と説明した。一方、投資先などと協業する可能性もあるとした。
椎葉氏は、IBMビジネス・コンサルティング・サービス(現日本アイ・ビー・エム)へ入社後、新規事業開発などのコンサルティングに従事。2018年からIBM BlueHubの責任者として、スタートアップへの支援と事業開発を統括してきた。2021年にはW ventures(現W fund)に参画し、責任者としてインキュベーションプログラムを立ち上げた。そして2023年にフロンティアインターナショナルに着任した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」