何が変わった?「iPhone 15 Pro」--Lightning廃止でUSB-Cに、チタン筐体、Maxは光学5倍望遠

 アップルは日本時間9月13日未明に新型スマートフォン「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」を発表した。

iPhone 15 Proシリーズ
iPhone 15 Proシリーズ

 「iPhone 15」シリーズでは、Pro / 標準モデルともにLightning(ライトニング)端子が廃止され、USB Type-C(USB-C)端子を搭載した。

 また、Proモデルでは3nmプロセスの「A17 Bionic」を搭載し性能を向上させた。筐体も従来のステンレスをチタニウムに置き換えて軽量化を実現した。カメラ機能も向上し、「Vision Pro」で楽しめる空間ビデオ撮影に年末までに対応するほか、iPhone 15 Pro Max限定で光学5倍望遠レンズも搭載した。

 予約は9月15日から開始し、発売は翌週の9月22日を予定。価格はいずれも税込でiPhone 15 Proが15万9800円〜、iPhone 15 Pro Maxが18万9800円〜だ。

  1. チタニウム採用で軽量化を実現
  2. 3nmプロセスのA17 Bionic搭載
  3. Lightning端子廃止でUSB Type-Cに
  4. ポートレートモードへの手動切り替えが不要に
  5. 空間ビデオ撮影に対応
  6. Pro Maxは光学5倍望遠レンズを搭載
  7. 側面の消音スイッチ廃止
  8. 発売日と国内価格

チタニウム採用で軽量化を実現

 iPhone 15 Proシリーズでは筐体の素材を刷新。iPhoneシリーズとして初めてチタニウムを採用した。チタニウムは強度重量比が従来のステンレスに比べて高く、「(従来モデルと比べて)手にとって軽さが実感できる」とAppleはプレゼンで胸を張った。

 実際に重量はiPhone 15 Proが187g(14 Proは206g)、iPhone 15 Pro Maxが221g(14 Pro Maxは240g)と軽量化されいることがわかる。

チタニウム素材採用で軽量化を実現
チタニウム素材採用で軽量化を実現

 また、チタニウムフレームのエッジ部分に丸みをもたせ、手へのフィット感を向上させた。さらに、画面周囲の黒枠(ベゼル)を削減することで、画面サイズをiPhone 14 Proシリーズから維持しつつ、筐体サイズを減らした。

ックチタニウム、ホワイトチタニウム、ブルーチタニウム、ナチュラルチタニウムの4色展開
ックチタニウム、ホワイトチタニウム、ブルーチタニウム、ナチュラルチタニウムの4色展開

3nmプロセスのA17 Pro搭載

 iPhone 15 Proシリーズでは、3nmプロセスで製造した新型チップ「A17 Pro」を搭載した。

3nmプロセスを採用したA17 Pro
3nmプロセスを採用したA17 Bionic

 A17 Proは、トランジスタ数が190億個に達し、先代の「A16」に比べてGPU性能が最大20%、CPU性能は最大10%向上したという。

 ハードウェアのレイトレーシングにも初対応し、A16のソフトウェアレイトレーシングと比較して、同処理が最大4倍高速化したという。ニューラルエンジンも2倍に高速化し、16コアで毎秒最大35兆回の演算処理をこなせるとした。

 こうした性能向上によって、Appleは「iPhone 15 Proは究極のモバイルゲーミングデバイス」と訴求。いくつかのコンソール機 / PC / Mac向けゲームタイトルがiPhone向けに移植されることも明かされた。

Lightning端子廃止でUSB Type-Cに

 iPhone 15シリーズではProだけでなく標準モデルでもLightning端子が廃止され、USB Type-C(USB-C)に一本化された。

 なお、iPhone 15 Proシリーズのみ「USB 3」規格に対応。最大10Gbpsのファイル転送に対応した。また、先んじてUSB-Cを採用していたMacやiPadと同じ規格を採用したことで、Appleは「iPhone 15 Proと同じ充電ケーブルでMacやiPadを充電できる」とアピールしていた。

ポートレートモードへの手動切り替えが不要に

 iPhone 15 Proシリーズではカメラも強化された。ポートレートモードの使い勝手が向上し、人物やペットといった被写体を認識すると、自動で被写界深度の情報を取り込み、ポートレート写真として表示するようになった。つまり、マニュアルでポートレートモードに切り替える必要がなくなった。

ポートレートモードが刷新
ポートレートモードが刷新

 加えて、ポートレートモードのエンジンを刷新し、ポートレートモードでもLive Photosを利用できるようになった。ディテールの表現や色彩の再現性も向上したという。シャッターラグもなくなり、暗所での撮影性能も最大2倍となった。撮影後のフォーカス位置変更にも対応した。

空間ビデオ撮影に対応

 ヘッドマウントディスプレイ「Vision Pro」で再生できる空間ビデオ撮影にも2023年末までに対応することが明かされた。これは、動画を空間を切り取るように立体的に撮影できる機能で、Vision Proで再生すると思い出の場所に舞い戻ったかのような没入感のある映像を楽しめるという。

空間ビデオ撮影にも2023年末までに対応空間ビデオ撮影にも2023年末までに対応

特に子育て世帯へは、子どもの幼い頃の記録を鮮明に記録できるという点で刺さる機能かもしれない。

Pro Maxは光学5倍望遠レンズを搭載

 iPhone 15 Pro Max特有の機能として、光学5倍望遠に対応した。120mm相当のレンズとなった。

光学5倍望遠にも対応
光学5倍望遠にも対応

 技術的には、レンズ内のガラスを折りたたみ、内部で光線を4回反射させることで、限られたスペース内で光学5倍望遠の実装に成功した。望遠の向上にあわせて手ぶれ補正も強化し、先代と比べて手ブレの微調整回数を2倍の毎秒1万回へ強化した。

iPhone 15 Proシリーズのカメラ仕様
iPhone 15 Proシリーズのカメラ仕様

側面の消音スイッチ廃止

 iPhone 15 Proシリーズでは、歴代のiPhoneでおなじみだった「側面の消音スイッチ」が廃止され、アクションボタンに置き換えられた。

おなじみの消音スイッチが廃止された
おなじみの消音スイッチが廃止された

 アクションボタンはデフォルト設定では長押しで消音スイッチとして機能するほか、 「ボイスメモ」やカメラの起動など、よく使うアプリのショートカットキーとして設定する事が可能だ。

発売日と国内価格

 各モデルの税込の直販価格は次の通りだ。

 iPhone 15 Proは「128GBモデル」が15万9800円、「256GBモデル」が17万4800円、「512GBモデル」は20万4800円、「1TBモデル」は23万4800円。

 iPhone 15 Pro Maxは「256GBモデル」が18万9800円、「512GBモデル」が21万9800円、「1TB」モデルが24万9800円。

 予約注文は9月15日(金)から開始し、発売は9月22日(金)を予定している。

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