NTT東日本とNTT DXパートナーは9月12日、 TENTIAL(テンシャル)と共同で、テンシャル製品の効果を測定したと発表した。
リカバリーウェアと入浴剤のセット利用が睡眠課題に与える影響という、「スリープテック」領域の検証を実施している。
今回の取り組みは、NTT東日本グループの従業員30人、計14日間を対象に、2023年8月に実施。通常通りに過ごす7日間と、テンシャルのリカバリーウェアと入浴剤を利用して過ごす7日間を測定した。
NTT東日本とブレインスリープが2020年に共同開発した問診型ウェブサービス「睡眠偏差値 for Biz」で算出した主観的評価と、ブレインスリープの睡眠計測デバイス「ブレインスリープコイン」からデータを取得した客観的評価を算出している。
睡眠偏差値 for Bizによる検証の結果、テンシャル製品使用時は、独自に算出する「睡眠スコア」が6.8ポイント改善。日本の全国平均を50とした「睡眠偏差値」が6.0ポイント向上したほか、「睡眠時間」「睡眠の質」「日中の眠気」「日中生産性」「ストレス・モチベーション」のいずれの項目でも、テンシャル製品使用によりスコアが向上したという。
中でも睡眠偏差値は、睡眠偏差値35~40、45~50に位置する低偏差値の従業員が減少し、50を上回る偏差値55~65の従業員数が増加している。
NTT東らは、検証で取得した数値から、眠気などで100%のパフォーマンスが発揮できてない状態などを、経済損失額として算出。テンシャル製品を1年間使用した場合に削減できる従業員1人あたりの経済損失額は年間22万6000円となり、今回検証した30人の場合、678万円を削減できることになるという。
ブレインスリープコインによる測定結果では、「睡眠スコア」「平均睡眠時間」、深い睡眠の指標である「Non-Rem睡眠ステージ3の総時間」の3項目に改善が見られた。また、各項目の日時推移における数値の下落幅が少なくなり、睡眠自体が安定しているという特徴もあったという。
NTT DXパートナー プラットフォームビジネス部 ビジネスデザイナー 梅田貴大氏は、「日本企業の従業員は、非常に勤勉に働いている。その分睡眠を削っており、それによる損失も出ている。今回の検証では、テンシャルの製品を使うこと以外の生活指導などを実施しなかったところ、パジャマ(としてリカバリーウェア)や入浴剤を使うだけで眠りに意識が向いたのか、睡眠時間や質などが大きく改善した。日中の眠気が減少し、生産性の向上、被験者のストレスやモチベーションなどにも良い影響が出た。勤務時間、生活のリズムなどを変えることはなかなか難しいが、こういった製品を従業員が使えることで、会社の損失を防げる時代となりつつある」と述べ、引き続きスリープテックに注力する意向を示す。
テンシャルは同日、3回目となるイベント「Potential Conference」を実施。2018年の創業から“T2D3”(Triple、Triple、Double、Double、Double:ビジネスを1年ごとに3倍、3倍、2倍、2倍、2倍と成長させる、スタートアップ領域などで使われる用語)のような成長を描けていること、リカバリーウェア「BAKUNE」シリーズの累計販売数が30万枚を迎えつつあることなどを紹介した。
また、米国で医者、研究者として13年の実績を持ち、UCLA 医学部 公衆衛生大学院 准教授を務める津川友介氏がアドバイザーに就任したことを発表した。
津川氏は、「20世紀までは体の調子が悪くなったら病院に行き、痛いところや苦しいところを治してもらう時代だった。21世紀以降は、技術やデータを活用して体の調子が悪くなる前に介入し、良い状態をメンテナンスする時代。アスリートが日々健康を管理してパフォーマンスを最大化しているように、知的労働するビジネスパーソンや普段の生活をするわれわれも、自分のパフォーマンスを最大化するために日常生活に気をつける必要がある。その中で、24時間体に触れる“衣”の影響は大きい。テンシャルとともに医学的なエビデンスを作り、ポテンシャルの最大化に貢献したい」と豊富を述べた。
TENTIAL CEO 中西裕太郎氏は、テンシャルの販売の8割がECである一方、9月までに35店舗を構えるオフライン販売も好調なこと、物流増加に耐えうる倉庫移転などを予定していることも明かす。ギフト需要を念頭に入れたプロモーションも強化し、2023年の秋冬モデルとして予定する新製品、リニューアル製品などに弾みをつける考えを示した。
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