まもなく開催のアマゾンイベント、発表内容を予想--「Alexa」への生成AI搭載など

Maria Diaz (ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2023年09月06日 07時30分

 Amazonは、「Echo」デバイスや「Alexa」の新機能など、さまざまなハードウェアとソフトウェアを通してイノベーションを実現する新たな方法を常に模索している。同社は米国時間9月20日、バージニア州アーリントンの第2本社で、新しいデバイスとサービスを発表する年次イベントを開催する。この年次イベントでは、新製品や同社のプラットフォームに施された改善点が披露される。

Amazon社内
年次イベントを開催するバージニア州アーリントンのAmazon第2本社
提供:David Limp/Amazon

 2022年のイベントでは、新製品として「Kindle Scribe」が発表されたほか、「Echo Dot」と「Fire TV Cube」の新世代モデル、「Echo Studio」への空間オーディオ機能の追加、「Fire TV」向け「Pro」リモコン、一部のEchoデバイスへの「eero Built-in」機能の追加が発表された。2023年の発表内容を確実に予想することはできないが、発表される可能性があるものを以下にまとめた。

Alexaへの生成AIの追加

発表される可能性:中

 「Googleアシスタント」に生成人工知能(AI)が搭載されるのだから、AmazonのAlexaに搭載されても不思議はない。Alexaのような音声アシスタントは、自然言語処理プラットフォームになるための基盤として、人工知能と機械学習を活用している。これにより、音声アシスタントは、まるで人間同士がやりとりしているかのような会話形式で、ユーザーの質問に答えたり、指示に従ったり、タスクを実行したりできる。

Amazon Alexaアプリを表示したスマホ
提供:Thomas Trutschel/Photothek/Getty Images

 しかし、これらのシステムは生成AIとは異なる。Alexaに質問すると、おそらく「Alexa Answersへの投稿者によると」といった文言で回答を始めるだろう。これは、Alexaはオンラインで情報にアクセスして、その情報をそのまま伝えることはできるが、回答を生成することはできないからだ。

 Alexaに生成AI機能を追加すれば、オンラインで答えを探すのではなく、Alexa自らが答えを生成できるようになる。また、同時に複数の質問に答えたり、冷蔵庫にある食材を使ったレシピを答えるなど、個々のユーザーに応じたアイデアを提供したりすることも可能になるだろう。

 Alexaに生成AI機能が追加されることが9月のイベントで発表されるかどうかは定かではないが、Amazonはその可能性をほのめかしている。

 同社のデバイスおよびサービス担当シニアバイスプレジデントのDave Limp氏は7月、Axiosに対して、次のように語った。「生成AIは、当社がしばらく前から取り組んできた分野であり、特に家庭においては、極めて大きな可能性を秘めている。これほどの規模で生成AIを顧客に提供できるということは、信じられないほどエキサイティングだ。一方で、新しい機能や体験を構築する際には、高い基準を維持する必要があることも理解している」

Amazon Echo

 2022年、Amazonは第5世代のEcho Dotを発表し、また、Echo Studioをアップグレードして空間オーディオ機能を追加したが、2020年に発売されたEchoについては何も発表しなかった。

Echo Dot
提供:Maria Diaz/ZDNET

 スマートスピーカー市場は好調で、Amazonも2023年にコンパクトな「Echo Pop」を発売している。しかし、Echoは、近距離無線通信規格である「Zigbee」ハブとしても使用できるため、スマートホーム市場において、Echo DotやEcho Popとは異なる位置を占めている。

 Echoは99.99ドル(日本では1万1980円)で、Echo DotとEcho Studioの中間に位置する価格帯の製品だ。しかし、Echoの音質は、「HomePod mini」など、同価格帯のほかのスマートスピーカーと同じ水準にはないことから、そろそろアップデートがあってもいいはずだ。

 一方でAmazonが戦略を転換し、Echoを段階的に廃止し、代わりにより手頃な価格のEcho Dotを主力モデル、Echo Studioを最上位モデルとして位置付ける可能性もある。

「Fire TV Stick」

発表される可能性:高

 AmazonはFire TV Stickを2年ごとにアップデートしている。Fire TV Stick 4Kは2021年に発売されたので、2023年にアップデートされるはずだ。

Fire TV Stick 4K
提供:Maria Diaz/ZDNET

 Fire TV Stick 4Kは、2023年に入って、大幅な値引きも断続的に行われるようになっている。2022年に比べると、値引き幅は大きくなっており、セールの頻度も増えている。これまで、こうした傾向は、Amazonが新しいモデルの発表を前に、既存モデルを段階的に廃止する準備を進めていることを示していた。

 9月のイベントで新しいFire TV Stick 4Kが披露されなかったとしても、Fire TVと「Fire OS」については何らかのアップデートが発表されるだろう。

「Kindle Oasis」

発表される可能性:中

 Amazonは2019年以降、Kindle Oasisをアップデートしておらず、同製品はAmazonが現在提供している「Kindle」の中で最も古いモデルになっている。そのため、新しいKindle Oasisが登場するのではないか、あるいは、Kindle Oasisの販売が終了するのではないか、との臆測が流れている。

Kindle Oasis
提供:Sandra Vogel/ZDNET

 Kindle Oasisは、Amazonの「Paperwhite」テクノロジーを採用しているが、最大の特徴は人間工学に基づいたデザインと7インチのディスプレイだ。Oasisは現行のKindleの中で最薄モデルの1つであり、Kindleシリーズで2番目に大きいディスプレイを備えている(1番は「Kindle Scribe」)。

 新しいKindle Oasisが発表されるとしたら、大型の画面と、長時間でも快適に使用できる、人間工学に基づいた背面デザインは残ると思われる。Kindle Oasisは、多くのユーザーから愛されている、ページ送りボタンが搭載されている唯一のKindleでもある。

 しかし、2022年にエントリーレベルのKindleの新型モデルとKindle Scribeが発表されたため、Kindle Oasisの販売は2023年で終了する可能性もある。

 ちなみに現在は、エントリーレベルのKindle、「Kindle Paperwhite」(「シグニチャーエディション」もある)、Kindle Scribe、Kindle Oasisが提供されている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]