CNET Japanの編集記者が気になる話題などを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にエンターテインメント領域を取材している佐藤が担当。今回は8月19日と20日に、千葉県の幕張メッセ国際展示場 展示ホール9~11にて行われた、「ラブライブ!スーパースター!!」をテーマとしたライブイベント「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 4th LoveLive! Tour ~brand new Sparkle~」千葉公演の模様をお届けする。
「ラブライブ!」は、「みんなで叶える物語」をキーワードとして、オールメディアで展開しているスクールアイドルプロジェクト。「ラブライブ!スーパースター!!」は、表参道と原宿と青山という3つの街のはざまにある新設校「私立結ヶ丘女子高等学校」を舞台に、スクールアイドルグループ「Liella!」が活動する姿を描いている。メンバーたちのストーリーを描いたTVアニメも第2期まで放送され、第3期の制作もすでに発表されている。
メンバーの声を担当するキャストが、同名のグループとして自らステージに立つライブイベントもシリーズ恒例。今回の4thライブツアーは千葉公演を皮切りに、愛知(※開催済み)、東京と巡って公演を行う。また詳細は後述するが、Liella!に3期生が加入し11人体制となってからは初めてのステージとなった。
出演したのは伊達さゆりさん(澁谷かのん役)、Liyuuさん(唐 可可(タン クゥクゥ)役)、岬 なこさん(嵐 千砂都役)、ペイトン尚未さん(平安名すみれ役)、青山なぎささん(葉月 恋役)、鈴原希実さん(桜小路きな子役)、薮島朱音さん(米女メイ役)、大熊和奏さん(若菜四季役)、絵森 彩さん(鬼塚夏美役)、結那さん(ウィーン・マルガレーテ役)、坂倉 花(さくら)さん(鬼塚冬毬役)。
Liella!はかのんを中心とした結ヶ丘女子高等学校の新入生5人で結成され、キャストとしても伊達さん、Liyuuさん、岬さん、ペイトンさん、青山さんによって活動を開始(1期生)。TVアニメ第2期でかのんたちが進級して2年生となり、新たに新入生4人を迎えてのストーリーが展開。それにあわせてキャストとしても鈴原さん、薮島さん、大熊さん、絵森さんが2期生として加入。そしてかのんたちがさらに進級し、マルガレーテと冬毬が新メンバーとして発表。結那さんと坂倉さんが3期生として加わることとなった。
マルガレーテは第2期で、Liella!のライバルとして登場したが、結ヶ丘女子高等学校へ編入することに。結那さんも、3rdライブツアー(「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! Tour ~WE WILL!!~」)ではゲスト出演としてステージに立ち、パフォーマンスを行っていた。新たに登場した冬毬は、夏美の妹。坂倉さんは3期生一般公募オーディションから選出され、このツアーが初ステージとなる。
今回のライブでは、Liella!としてのステージをはじめ、2ndアルバム「Second Sparkle」に収録されている各メンバーのソロ曲や、ユニットミニアルバム「Jump Into the New World」に収録されているユニット曲も披露された。ラブライブ!シリーズにおいてグループ内ユニットを結成するのも恒例となっており、Liella!も新たに「CatChu!」「KALEIDOSCORE」「5yncri5e!」(※読み方は「シンクライズ」)を結成。4thライブツアーではユニットコーナーが各公演に設けられており、千葉公演では<KALEIDOSCORE edition>と題し、KALEIDOSCOREをフィーチャーしたステージも展開された。
開演前にはさまざまな楽曲が流れるなか、直前で流れた「TO BE CONTINUED」では“ライブ0曲目”と思えるぐらいの盛り上がりを見せつつ、オープニングではメンバーの紹介映像を上映。9人の紹介と9色の星が流れたあと、ついて行くかのように2色の星が流れ、マルガレーテと冬毬の紹介映像が流れ、迎え入れるかのような大歓声のなかでライブがスタートした。
オープニングナンバーは、前述したミニアルバムの表題曲である「Jump Into the New World」。ミニアルバムのジャケットイラストでメンバーが着用している衣装をまとって登場し、リリックビデオさながらに歌詞が表示されるスクリーンを背景にパフォーマンス。スカートの後ろに付けているマントのような長い裾を大きく舞わせるような、目を引く振り付けも交えてつつ、オシャレな雰囲気を醸し出しながら11人となった新しいLiella!の姿を示していた。さらに「スター宣言」をバンドサウンドにのせて歌い、熱気を高めていった。
11人が横に並び、「私たち、結ヶ丘女子高等学校スクールアイドル、Liella!です!」と、指をL字型にして重ねたLiella!ポーズを決めて挨拶。恒例の自己紹介となるコール&レスポンスは、3期生にとっては初めて行う場となった。全体でも1番手となった結那さんがファンとともに高らかに声をあげて盛り上げ役を担った一方、全体でも最後となった坂倉さんは、本当に初めての場だったDAY1においてはコール&レスポンスがうまくいったことや、その歓声や光景に感激したからか、おもわず涙ぐんでしまう一幕や、MCでも緊張していることを話すなど、初々しい姿を見せていた。
ライブ再開後、まずは2期生4人による「Blooming Dance!Dance!」では、ポップな曲調にのせて、2期生としての成長を感じさせるパフォーマンスを披露。1期生5人も加わった9人での「キラーキューン☆」では、アップテンポで軽快なラップパートも交えつつ歌うなかでは、手を銃のように見立てて配信や客席に向けて撃つときも、それぞれに個性的な撃ち方をする間奏も見どころに。さらにスマートフォン向けゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!」のテーマソング「MIRACLE NEW STORY」では、9人がセンターステージから躍動感あるパフォーマンスを届けていた。
ここからは「今回のラブライブ!スーパースター!!」と題した、メンバーたちの姿を描く幕間映像が上映されたのち、ソロ曲を披露するパートに。1期生と2期生に加え、すでにマルガレーテのソロ曲がある結那さんが、Day1とDay2に分かれて披露する形となった。特に2期生4人がソロ曲をライブで披露するのは、この公演が初めてとなる。
Day1では、幕間映像でマルガレーテがひとりでステージに向かうシーンが映し出されたのち、披露されたのは「Butterfly Wing」。マルガレーテが歌い踊るアニメPVを背景に、結那さんがパフォーマンス。3rdライブツアーでも魅了し続けた圧巻のステージは健在と感じさせるものとなっていた。
鈴原さんが黄色のチェック柄の衣装をまとって、きな子のソロ曲「ビギナーズRock!!」をエアギターを交えながら歌えば、青山さんによる恋のソロ曲「ミッドナイトラプソディ」では、黒を基調としたドレス風衣装で大人びた雰囲気を醸し出すステージに。
Liyuuさんによる可可のソロ曲「星屑クルージング」では、ふわふわ感のある衣装にクマのぬいぐるみを大切に抱えながら、コンサートライトの海を航海するがごとく、トロッコに乗って場内のいろいろな場所から歌声を届けていく。最後はセンターステージで手にしていたクマのぬいぐるみを床に置いて立ち上がり、どこか遠くを見つめるような表情を見せた。そしてペイトンさんによるすみれのソロ曲「Starry Prayer」では、落ち着いた雰囲気のなかでバラードソングを情感を込めた歌声で披露。終盤ではセンターステージへと移動し、Liyuuさんが置いたクマの手にして眠るようにほほを寄せてステージを終えた。
Day2では、幕間映像で冬毬が「次は姉者の出番」というセリフがあったと、絵森さんが夏美のソロ曲「Eyeをちょうだい」を披露。ワンショルダーの衣装で登場し、曲名にちなんだような、夏美の目が印象的なカットが映し出されるなかで、アップテンポで魅惑のステージを展開した。
薮島さんはメイのソロ曲「茜心」を歌唱。メイのイメージカラーのルージュをイメージするような赤を基調としたフラメンコをほうふつとさせる衣装をまとい、照明も赤を中心としたなかで情熱的なパフォーマンスを見せる。続いた大熊さんは四季のソロ曲「ガラスボールリジェクション」を披露。前の曲とは対照的ともいえるような、クールな曲調のなかで神秘的な世界を構築するような表現力の高さを感じさせるステージとなった。
岬さんは花柄のドレス風衣装で登場し、千砂都のソロ曲「君を想う花になる」を歌う。落ち着いた雰囲気のなかで温かい気持ちになれるような、優しさとそのなかに秘めた決意を示すような歌声を響かせる。そして、2日間に分けて続いたソロ曲パートのラストは、伊達さんによるかのんのソロ曲「Free Flight」 。白を基調に五線譜が描かれたドレス風衣装で姿を見せ、風を感じ空に向かって高く自由に飛んでいる光景がイメージできるような、ハイトーンで伸びやかに響く歌声で会場中を魅了するものとなっていた。ちなみに後のトークで、衣装にあしらわれた五線譜は、かのんのソロ曲「青空を待ってる」の楽譜であることも明かしていた。
幕間映像を経てユニットパートへ。前述のように、千葉公演ではKALEIDOSCOREが登場。可可、恋、マルガレーテによる3人ユニットとなっており、ステージではLiyuuさん、青山さん、結那さんがユニット衣装をまとってのパフォーマンスを行った。
センターステージに姿を見せた3人は、スタンドマイクを前に「ベロア」を歌う。寒色系の3色のコンサートライトが振られるなか、切なさを誘うような曲調にのせて、伸びやかに歌声を響かせる。さらに「不可視なブルー」では、クールな雰囲気を漂わせつつも穏やかな表情を浮かべながら歌う姿もさることながら、ハーモニーもきかせて聴き入るようなステージとなっていた。
トークではユニットの紹介をしつつ、Day1では楽曲が大人やオシャレな雰囲気から“クールビューティ”といった言葉も飛び出し、さらに衣装紹介の後にファッションショーさながらのランウェイを行うなど、クールビューティ感を漂わせていたが、Day2では結那さんが、青山さんが夢の中に出てきたうえに目から物を出すという、現実ではありえないようなエピソードを語れば、青山さんは当然否定し、Liyuuさんも的確なツッコミを入れて笑いを誘うなど、ひと味違う魅力を示すような場面もあった。
メインステージで3人は、用意された椅子に腰掛けて「What a Wonderful Dream!! ~KALEIDOSCORE Ver.~」を披露。「What a Wonderful Dream!!」をKALEIDOSCOREのイメージにあわせてオシャレにアレンジしたバージョンを軽快に歌っていた。
ここでの幕間映像では、マルガレーテと冬毬に対して見せたい映像があるという形で、TVアニメにおける挿入歌のライブステージをダイジェストで流しつつ、その光景に魅了される2人。そしてかのんから以前のように(1期生)5人で歌うと話し、千砂都とともにステージに向かうシーンが映し出された。
こうして歌われたのは、1期生5人による「Hoshizora Monologue」。スローテンポで紡がれる楽曲で、どこかもがいているようにも見えるような、そして手を伸ばしても届かなかったことを示すような振り付けを交えながら歌う。終盤には2期生4人が姿を見せ横に並び、その後ろには「Starlight Prologue」のアニメPVでも象徴的な光の帯が、9色となって映し出されていた。続けての「Including you」では、ダンサブルなステージを展開するなかで、TVアニメでもLiella!にとって大きな存在となっていたスクールアイドルグループ「Sunny Passion」をほうふつとさせる、黄と紫を主体にしたライトや映像演出になっていたのも目を引いたところ。
そのまま9人で「未来の音が聴こえる」の披露に。TVアニメ2期12話でラブライブ!全国大会で披露したメンバーたちのアニメPVを背景に、一緒に歌い踊るシンクロパフォーマンスを展開。このときは衣装は、2ndアルバム「Second Sparkle」のジャケットでまとっていた衣装となっていたので、新鮮に感じられるステージに。最後はアニメPVのメンバーたちと同様、9人が手をつないて星の形を作り上げていた。こと、この3曲の流れは、Liella!のこれまでを表現するようにも感じられるものとなっていた。
MCパートとして、KALEIDOSCOREのステージや、ソロ曲のステージに関するエピソードなどが語られた後、ライブも終盤へ。まずはロック調の楽曲である「Second Sparkle」で、Liella!のスタイリッシュな一面を存分に表現したステージに。そして「私のSymphony ~2023Ver.~」の披露に。これまでもナンバリングライブでは、そのときのLiella!を示すような形で歌われてきた「私のSymphony」は、3期生2人も加わった11人での披露に。メインステージ上段に姿を見せた坂倉さんと結那さんのソロパートも多く盛り込まれ、そしてメインステージに合流、さらにライブキービジュアルをイメージさせるような立ち位置で花道を歌いながら歩き、センターステージへ。そして紙吹雪が舞い、スクリーンには桜の木が映し出されるなかで歌い、これからのLiella!、新しいLiella!を示すものとなっていた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果