CNET Japanの編集記者が気になる話題などを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にエンターテインメント領域を取材している佐藤が担当。今回は12月3日と4日に、宮城県のゼビオアリーナ仙台にて行われた、「ラブライブ!スーパースター!!」をテーマとしたライブイベント「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! Tour ~WE WILL!!~」宮城公演の模様をお届けする。
「ラブライブ!」は、「みんなで叶える物語」をキーワードとして、オールメディアで展開しているスクールアイドルプロジェクト。シリーズ第4作となる「ラブライブ!スーパースター!!」ならびに、スクールアイドルグループ「Liella!」(※読み方は「リエラ」)は2020年に始動。表参道と原宿と青山という3つの街のはざまにある新設校「私立結ヶ丘女子高等学校」を舞台に、Liella!がスクールアイドルとして活動する姿を描いている。2021年にデビューシングルをリリースし、同年7月からはTVアニメ第1期、2022年7月からはTVアニメ第2期を放送した。
メンバーの声を担当するキャストが、同名のグループとして自らステージに立つライブイベントもシリーズ恒例。Liella!も2021年10月から全国10都市で1stライブツアーを、2022年3月から全国3都市で2ndライブを開催。今回の3rdライブは全国7都市をめぐるツアーとなり、宮城公演を皮切りに展開する。
出演したのは、伊達さゆりさん(澁谷かのん役)、Liyuuさん(唐 可可(タン クゥクゥ)役)、岬 なこさん(嵐 千砂都役)、ペイトン尚未さん(平安名すみれ役)、青山なぎささん(葉月 恋役)、鈴原希実さん(桜小路きな子役)、薮島朱音さん(米女メイ役)、大熊和奏さん(若菜四季役)、絵森 彩さん(鬼塚夏美役)。またTVアニメ第2期に登場したウィーン・マルガレーテ役の結那さんもゲスト出演した。
Liella!は、かのんを中心とした結ヶ丘女子高等学校の新入生5人で結成。キャストも伊達さん、Liyuuさん、岬さん、ペイトンさん、青山さんによって活動を開始(後に、5人は1期生という立ち位置に)。その後TVアニメ第2期では、かのんたちが進級して2年生となり、新たに新入生4人を迎えたストーリーが展開。それにあわせて、キャストも鈴原さん、薮島さん、大熊さん、絵森さんが2期生として加入した。すでにファンミーティングツアーやリリースイベントなどで、9人のステージは行われているなか、今回の宮城公演は9人体制となって初めてのフルライブとなった。
公演は新型コロナウイルス感染対策ならびに、感染拡大予防ガイドラインを遵守する形での有観客開催となり、客席から発声をともなう声援は控える形となっていた。そのため、コール&レスポンスやメンバーからの問いかけ、曲中の盛り上げやパフォーマンスに対しては、クラップ(拍手)を送ったりコンサートライトを振る形で応えていた。また、ライブビューイング(Day1のみ)やオンラインでの有料生配信も実施され、Twitterでも視聴者のコメント投稿で盛り上がりを見せていた。
今回のライブではTVアニメ第2期にスポットを当て、関連楽曲を中心に披露。Day1とDay2では一部異なる楽曲が披露されたものの、おおむね同じ流れで進行。アンコールを含めて両日ともに24曲、約3時間におよぶステージとなった。
メンバーの紹介映像を経て、ステージ上に9人が姿を見せライブがスタート。その1曲目は、TVアニメ第2期オープニングテーマ「WE WILL!!」。ラブライブ!のライブステージは、アニメーション映像と同じパフォーマンスを行うことが特徴となっており、スクリーンにメンバーたちが歌い踊る映像を流しつつ、キャストも一緒に歌い踊ることで、作品とシンクロした世界を体感できることが魅力のひとつとなっている。メンバーが躍動するオープニング映像を背景に、おそろいの衣装をまとったキャスト9人がシンクロパフォーマンスを披露。さらに「スター宣言」では、バンドサウンドにあわせてノリノリで歌い、場内をさらに盛り上げていた。
9人が横に並び、「私たち、結ヶ丘女子高等学校スクールアイドル、Liella!です!」と、指をL字型にして重ねたLiella!ポーズを決めて挨拶。このあと恒例のコール&レスポンスとなるなかで、2期生がコール&レスポンスをファンの前で行うのは、宮城公演が初めて。前述のように、客席から声でレスポンスができないというなかでも、ステージ上のキャスト陣が声をあげ、ファンもコンサートライトを振る形で応えていた。またMCでは、伊達さんが宮城県出身で地元であることにも触れ、ご当地にまつわるトークで盛り上がっていた。
ここからは、TVアニメ第2期の映像を挟みながら挿入歌などを披露され、作中のストーリーを感じられるステージが展開された。まずは「Welcome to 僕らのセカイ」(伊達さん、Liyuuさん、岬さん、ペイトンさん、青山さん)から。第1話で、2年生が1年生のきな子を迎え入れるときに歌われた楽曲で、ポップな雰囲気のアニメPVを背景に1期生5人がパフォーマンス。アニメPVでも一瞬現れるきな子と同様に鈴原さんも姿を見せたり、終盤ではステージに現れた鈴原さんに伊達さんが手を差し伸べて、最後は6人で決めポーズ。きな子がLiella!に加入したことを示すものとなっていた。
ステージが暗転し、青のライティングと鐘の音というミステリアスな雰囲気に包まれるなか、結那さんが姿を見せ、歌ったのは「Butterfly Wing」。マルガレーテはLiella!のライバルとして登場し、かのんをはじめスクールアイドルという存在に対して挑発的な態度を取る姿が描かれている。第3話では、代々木スクールアイドルフェスに出場し、Liella!を退けて優勝。「Butterfly Wing」はこのときに披露された楽曲で、そのときのアニメPVを背景に結那さんがパフォーマンス。この空間を支配するが如く、伸びやかに響く歌声にしなやかな動きで魅せるダンスで、作中でもLiella!が見入っていた圧巻のステージを結那さんが表現。鮮烈な印象を残したことを証明するような、大きな拍手に包まれていた。
第3話のシーンが流れ、自信を失いかけたLiella!が結ヶ丘女子高等学校の生徒たちの思いに触れて立ち直り、ライブを行うことに。ステージ裏で6人が円陣を組むシーンを経て、ステージには6人が立ち、歌ったのは「Go!! リスタート」(伊達さん、Liyuuさん、岬さん、ペイトンさん、青山さん、鈴原さん)。アニメPVさながらに、イントロではセンターステージに移動し、かのんが言っていた“全員がセンター”を示すように円形のステージでそれぞれ外側の方向を向きながらパフォーマンス。さまざまな振り付けのなかでも、拳を振り上げたり高々と掲げるポーズが多く見られ、Liella!のリスタートを示すステージとなった。
ここからは、TVアニメ放映時の特別パート「リエラのうた」のコーナーに。絵本の世界にいるような柔らかいタッチで描かれた、小さな妖精にも見えるメンバーが映し出される映像を経て楽曲の披露に。Day1とDay2で異なる3曲が歌われた。
Day1では、「パレードはいつも」(薮島さん、大熊さん)からスタート。トロピカルな雰囲気漂う楽曲で、2人がトロッコに乗り込んで歌うなかでは、途中で合流して手を取り合うという、メイと四季の関係性を感じさせる一幕も。「迷宮讃歌」(青山さん、絵森さん)ではタンゴをイメージさせる曲調で、ミステリアスかつ気品の高さを感じさせるステージに。「Dreamer Coaster」(伊達さん、鈴原さん)では、トロッコに乗ってさまざまな場所から歌声を届けたほか、ギターとともに特徴的なクラップの振り付けも織り交ぜるなど、元気になれるようなステージを展開した。
Day2では、「プライム・アドベンチャー」(薮島さん、大熊さん、絵森さん)から。仲間との冒険のドキドキと楽しさを表した楽曲を、3人が息を合わせた歌声とダンスで披露。「エンドレスサーキット」(Liyuuさん、ペイトンさん)では、往年のロカビリーロックンロールともいえるような曲調にのせ、2人がトロッコに乗って歌い、その光景を先に歌い終わっていた3人が楽しそうに見ているという微笑ましい光景も。「駆けるメリーゴーランド」(伊達さん、岬さん)では、落ち着いた雰囲気のなかで、幼なじみであるかのんと千砂都の関係性を示すような楽曲を、優しい歌声で温かい空気感を作りだしていた。
TVアニメでの、メイと四季がLiella!へ加入するエピソードが流れるなかでは、お互いが素直な気持ちになるシーンで拍手が起きる一幕も。そして1年生の合宿に同行した夏美に対して、かのんから誘われ、後押しを受けてLiella!に加入するエピソードが流れ、Liella!は9人となった。
ここからのLiella!楽曲は9人でのパフォーマンスに。まず歌ったのは第6話挿入歌でもある「ビタミンSUMMER!」。見るからにカラフルな衣装で、ネコ耳や、先端に星や球が付いた触覚のように見えるカチューシャなども頭に付けるという、ポップでサイバーライクな風貌で登場。アニメPVを背景に映像では夏美が、ステージでは絵森さんがセンターに立ち、ノリノリになれるEDMナンバーを軽快に歌って盛り上げていた。
さらに「POP TALKING」では、スマホの縦画面かつSNS風のフレームで3分割された映像から始まり、トロッコに乗ってラップを歌うなかでは、キャスト陣がスマホで自撮りをして楽しむ一幕も。「ユートピアマジック」でもトロッコで歌い、一緒に手を振って一体感を感じたり、メンバー同士の関係性が見えるような絡みを見せつつ、さわやかに歌っていた。ちなみに、最後はメインステージに戻って9人が横に並んで歌うところ、Day2では中心にいた伊達さんをハグするように8人がぎゅっと集まって歌う場面があり、伊達さんはそれを知らなかったのか、はたから見てもわかるぐらいに驚きの表情を浮かべていた。
第8話挿入歌「Chance Day, Chance Way!」は、スクールアイドルの祭典「ラブライブ!」の地区予選に向けて歌った、いちょう並木を舞台に日本のお祭りをイメージする楽曲。アニメPVを背景に賑やかなステージを展開するなか、途中からはお祭りの行進のようにセンターステージに移動をしたり、アニメPVでも象徴的ないちょうの葉の紙吹雪が舞うなかで元気な歌声を響かせていた。
MCでは、ステージ上に落ちていたいちょうの葉の紙吹雪を拾ったり、「ビタミンSUMMER!」の衣装を紹介。両日ともに9人の仲の良さを感じさせる賑やかなトークを展開するなか、Day1ではこれまでの楽曲やトロッコに乗った感想を語ったり、Day2では収拾がつかなくなりそうなところで、岬さんがスクールアイドル部部長の千砂都として、青山さんが結ヶ丘女子高等学校の生徒会長の恋として場を仕切って進行するという一幕も。
ライブが再開となり、まず歌われたのは「揺らぐわ」。赤く染まったステージで、どこかアダルティな雰囲気も漂うなかで、情熱的なステージを見せていたほか、「色づいて透明」ではそれぞれのソロパートを織り交ぜながら透明感のある楽曲を披露していた。
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