ウェザーニューズ、「来店客予測データ」を小売や飲食事業者向けに提供開始

 ウェザーニューズは8月30日、スーパーマーケットや飲食チェーンの店舗の発注業務やシフト管理のDX化を推進するため、小売や飲食事業者向けに業界最高レベルの1kmメッシュの天気予報を用いた「来店客予測データ」の提供を開始と発表した。

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 同社によると、スーパーマーケットやアパレルなどの小売店や飲食店の需要は天気の影響を大きく受け、食品ロスやスタッフの過不足などの原因になっているという。

 そこで、高精度・高解像度な1kmメッシュの天気予報を活用した「AI来店客予測モデル」を開発。気象データ提供・分析サービス「WxTech」サービスにおいて、店舗ごとのピンポイントな2週間先までの来店客予測データの提供を開始する。

 同サービスでは、1kmメッシュの「過去天気予報データ」、店舗ごとの過去の来店客数や定期的に開催されるセール日など「ビジネスデータ」、曜日やイベント(クリスマスなど)の「カレンダー情報」を機械学習させて構築した「AI来店客予測モデル」を活用。最新の1kmメッシュの天気予報を反映することで、店舗の来店客数を高精度で予測できる。

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 また、クラウド経由で提供するため、企業の既存システムとの連携が容易であることも特徴。緯度経度や時間を指定しておくだけで、必要なタイミングにデータを自動取得できるという。

 さらに、日々の天気による来店客の変動だけでなく、台風接近や大雪など荒天時の買い控えも考慮。

 これにより、企業は自動発注システムの精度向上を期待できるほか、スーパーマーケットにおける購入率の計算や、飲食チェーンにおける売上予測やシフト調整など、自動発注以外の用途でも活用できるとしている。

 なお、首都圏で食品スーパーを運営するマルエツでは、来店客予測データを全305店舗に先行導入しており、段階的に発注システムやレジシフト管理システムと連携させているという。

 従来は、店舗の管理職が前年の実績や経験に基づいて予測した2週間〜2か月先の来店客数を、発注システムとレジのシフト管理システムにそれぞれ入力していたが、店舗によって予測にバラツキが生じることや予測に時間を要することが課題になっていた。

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 さらに、来店客予測は天候の影響を大きく受けるため、売れ残りによる食品ロスや、品切れによる機会ロスが発生するほか、シフトや人員配置の調整に不備が生じることも問題だったという。

 これらの課題を解決するにあたり、2022年9月に来店客予測データの先行導入を開始。段階的に発注システムやレジのシフト管理システムへと連携してきた。

 現在は、全店舗に自動配信・入力される予測客数を管理職がチェックし、必要時のみ修正を実施。店舗での客数予測や入力作業が効率的になったことで、自動発注数の精度向上やレジシフトの最適化など、店舗業務の効率化をが図れているという。

 具体的には、全305店舗の7月度客数修正率は0.5%(地域催事などによる客数修正対応)で、月間の客数予測の精度は95%以上の高精度を維持。また、店舗による客数予測および、客数入力の年間MH(Man Hour)効果は、およそ1100MHとなっている。

 今後、マルエツはこの「来店客予測データ」をさらに他のシステムとも連携させ、店舗オペレーションのさらなる効率化や、より効果的なデジタル変革として販促施策の取り組みにもつなげていく予定だという。

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