VAIO、13.3型ワイドのモバイルノートPC「S13/Pro PG」--ビジネス向けのベストバランスを

　VAIOは8月29日、13.3型ワイドのノートPCとして展開する個人向け「VAIO S13」、法人向け「VAIO Pro PG」の2023年発売モデルを発表した。

「ブラック」（左）、「ブロンズ」を用意する「S13/Pro PG」

　インテルの第13世代プロセッサーを採用し、それぞれ「VJS135」「VJPG31」のシリーズ名で展開。ビジネスモバイルの最適解を目指し、こだわり抜いた機能とデザインを実現するという。公式のオンラインストア「VAIOストア」の最小構成価格（以降、価格はすべて税込）は、個人向けとなるS13が15万9800円。最速のお届け日を9月8日としている。

ビジネスモバイルPCにおけるベストバランスを目指す2023年発売モデル

　2023年発売モデルのS13/Pro PGは、本体サイズが高さ約17.7～19.6mm×幅299.3mm×奥行き221.1mm、最軽量構成時のバッテリー含む重さが約1.072kg。約21.5時間駆動する。

　カラーバリエーションは、「ブラック」のほか、ワイヤレスWAN非搭載モデルでは新色となる「ブロンズ」を選択可能。ハイエンドラインで人気なカラーを専用に調色し、主張しすぎない、ビジネスにちょうどいい高級感を出したとしている。

新色「ブロンズ」

　S13/Pro PGのプロセッサーは、官公庁・自治体・教育機関・SOHO・個人事業主向けの「Core i7-1355U」「Core i5-1334U」、従業員1000人以上の企業向けの「Core i7-1365U」と「Core i5-1345U」を選択できる。

　また、法人向けのPro PGは、9月下旬以降、インテルの企業向け管理機能「vPro プラットフォーム」準拠モデルも提供予定。マイクロソフトが提唱するセキュリティー要件「Secured-core PC」に対応し、対応するハードウェア、BIOS、ファームウェアとOS設定によって、BIOSやファームウェアなどへの外部からの不正アクセスや悪意のあるコードによる情報改ざんが防げるとしている。

　液晶を除いた外装部の約50％を塗装せず、塗装工程の環境負荷を低減。無塗装部品（ボトムケース）に強化樹脂を使用して軽量と剛性を両立しつつ、A4ファイル程度の大きさの軽量ボディのため、スリムタイプのビジネスバッグ、サイドデスクなどに収納可能。新幹線などの狭いテーブルでも快適に作業できるという。

　モバイルユースにおけるさまざまなアクシデントを想定した数十項目にもおよぶ独自の品質試験を実施するとともに、米国国防総省制定の「MIL規格（MIL-STD-810H）」に準拠した品質テストをクリア。わずかなキズやヘコミを見逃さないように大事な部分を専任の担当者が指差し確認する品質チェック「安曇野FINISH」も実施する。

　縦横比16対10のディスプレイ（1920×1200ピクセル）を採用し、一般的な13.3型ワイド16対9フルHDディスプレイ（1920×1080ピクセル）と比べ、縦方向のサイズが約8.2％増加した。縦横比16対9の14.0型ワイドディスプレイに匹敵する生産性を実現する。

13.3型ワイド画面アスペクト比による比較。左が「S13/Pro PG」、右が前モデル「S13/Pro PG」

　パームレストは表面にアルマイト（陽極酸化）処理を施した、1枚板のアルミ合金製。キーピッチはフルピッチ（約19mm）、キーストロークは約1.5mmで、特別配合したUV硬化塗装で防汚性を向上させた。タッチパッドは左右独立型のクリックボタン付きで、誤クリックを防げる。

キーボード面

　ディスプレイを開くとキーボード奥側が持ち上がり、タイピングしやすい角度になるチルトアップヒンジ機構を採用する。手首にかかる負担を軽減するだけでなく、側面ポートへのケーブルの抜き差しもしやすいという。

　LTE対応モデルでは、「eSIM」と「物理SIM（nanoSIM）」の2つのSIMに対応。VAIOの個人向けモデルとしては初採用となる。1台のノートPCで複数の無線通信回線を利用できるため、仕事用とプライベート用といった用途や目的によって回線の使い分けが可能だ。

「eSIM」「物理SIM（nanoSIM）」いずれにも対応可能

　騒音などの環境ノイズだけを除去するAIノイズキャンセリング機能を搭載し、ビームフォーミング技術との組み合わせで、PC正面の自分の声だけをクリアに届ける「プライベートモード」が利用可能。相手の声もクリアな音声で確認できる、スピーカー出力のノイズキャンセリング設定も設定できる。

　フロントカメラは約92万画素で、ノイズ除去技術として「TNR（Temporal Noise Reduction）」を採用。より解像感を増したくっきりとした映像を届けられる。また、カメラ映りを最適化する機能を搭載し、家の中のどの場所でも、アプリに依存せず、鮮明かつ自然な明るさの表情を届けられるとしている。

VAIOの設定で「美肌効果機能」などカメラ映りを調整可能

　そのほか、新製品と合わせて購入できる周辺機器として、1万1000円の「のぞき見防止フィルター」、3850円の「ワイヤレスマウス」も発表した。

ワイヤレスマウスは3色を展開するが、PCと同時購入できる色は「ブラック」のみ

　VAIO 開発本部プロダクトセンター プロダクトマネージャーを務める柴田雄紀氏は、「S13/Pro PGは、ハイエンドと2023年5月に発売したスタンダードの間、『アドバンスト』という位置付けで、VAIOのビジネスモバイルPCにおけるベストバランスを目指した製品。ハイエンドのモバイル性能や堅固さ、VAIOのPCの特徴の使い勝手などを引き継ぎ、持ち運べるといった新しい働き方に必要な機能と、性能、価格のバランスを意識した」と説明し、ビジネスシーンでの使用を強く意識したモデルと語った。

「S13/Pro PG」の位置づけイメージ

VAIO 開発本部プロダクトセンター プロダクトマネージャー 柴田雄紀氏