船舶の脱炭素化を実現へ--ヤンマー、舶用水素燃料電池システムを商品化

 ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーパワーテクノロジー(ヤンマーPT)は8月1日、船舶の脱炭素化を実現する「舶用水素燃料電池システム」を商品化したと発表した。

 
 

 今後、水素の補給が比較的容易な沿岸を航行する旅客船や作業船、貨物船などへの適用を提案していくという。

 国際海事機関(IMO)では、2050年頃までにGHG(Greenhouse Gas:二酸化炭素、メタンなどの温室効果ガスの略称)ネット排出ゼロを目指す目標に合意。GHG削減戦略の改定を採択するなど、船舶分野での脱炭素に向けた取り組みが急速に進みつつある。

 同社では、国土交通省の水素燃料電池船の安全ガイドラインや船舶分野における水素利用のロードマップ策定に参画。また、水素燃料電池を搭載した試験艇での実証運航試験や70MPa高圧水素充填試験を実施するなど、水素燃料電池船の社会実装に向けた取り組みを進めている。

 これらの取り組みを通して培った技術や知見を、舶用エンジン事業で蓄積してきたノウハウと融合。蓄電システムや電力制御システム、推進システムおよび、水素貯蔵システムも含めてシステムインテグレート(機器統合設計)を行い、船舶全体の脱炭素化とデジタル化に対応したトータルシステムを提供していくという。

 今回商品化した「舶用水素燃料電池システム」は、水素(ISO14687 type I, Grade D)を燃料としており、CO2、NOX、SOX、PMなどを排出しないゼロエミッションを実現。

 
 

 また、日本海事協会(ClassNK)から基本設計承認(AiP)を取得した舶用水素燃料電池モジュールを搭載。システム筐体内にガスバルブユニットを内蔵しており、船体への搭載が容易であるという。

 なお、定格出力は300kW(カスタマイズ可能)で、出力電圧は定格650Vdc(設定可能範囲450-700Vdc)、出力電流は定格462Aとなっている。

 ヤンマーグループでは、持続可能な社会の実現に向け「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」を推進している。GHG削減、環境負荷削減などの社会課題の解決に貢献するとともに、顧客ニーズに合わせたソリューションを提供していくという。

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