インドのニュースチャンネルおよびデジタルプラットフォームのOdishaTVは最近、人工知能(AI)で生成したニュースキャスター「Lisa」を試用した。単調な声と、瞬きする時も完全には閉じない目を持つLisaは、同ネットワークのニュースの見出しを定期的に読んでいるが、AIキャスターは彼女だけではないという。
South China Morning Postの報道によると、Lisaは、この3カ月の間にインドのニュースネットワークに追加された、多言語に対応する2つのチャットボットの1つだという。もう一方のAI生成ニュースキャスターである「Sana」は、India Todayグループ傘下のネットワークAaj Takで「勤務」している。
これらのキャスターは人間らしく見えるように、微妙なニュアンスを持たせて開発されているが、それがかえって、人間に似て非なるものに対する不気味な感情を引き起こす、「不気味の谷」現象を引き起こしている。Sanaは、体の重心を一方の足からもう一方へ移す動作が多く、Lisaは、両手を組んできまり悪そうに指を組み替える。どちらもそれ自体は、人間であれば「普通」に感じられる動作だ。しかし、AIボットがその動作を繰り返すと、その単調な声と不自然な表情と相まって、何か不自然なものを見ているという、不気味な感情が沸き起こる。
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— OTV (@otvnews) July 19, 2023
しかし、LisaとSanaは、病気になったり疲れたりすることもなければ、ストを決行したり有給休暇を取ったりすることもなく、常に勤務できる状態にある。それでも、India TodayとOdisha TVは、これらのAIチャットボットを追加したのは、人間のキャスターに置き換えるためではなく、反復的で単調な作業を担当させて人間のキャスターを補佐するためだと説明している。
SanaとLisaは現在、放送またはニュース番組で見出しを読み、人間の司会者に引き継ぐ仕事を担当している。しかしSanaは、人間やAIのパネリストと討論するようにトレーニングされているという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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