米ユダヤ人団体である名誉毀損防止連盟(ADL)が米国時間6月27日に発表したレポートによると、ネット上のハラスメントを受けている成人と10代の若者は記録的な数に達しているという。
ネット上のヘイトとハラスメントに関するADLの最新年次レポートの調査対象者のうち、これまでにネット上のハラスメントの被害に遭ったことがあると回答した成人の割合は52%で、2022年の40%から増加した。過去1年間にネット上のハラスメントの被害に遭ったと回答した割合は、成人が33%、13~17歳の若者が51%で、それぞれ前年の23%と36%から増加した。こうしたヘイトやハラスメントの事例は、主にソーシャルメディアで起きていた。
ネット上のヘイトやハラスメントの増加に対処するため、ソーシャルメディア企業はヘイトやハラスメントに関するポリシーを徹底させるべきだとADLは述べ、これには著名アカウントを対象とする例外措置を減らすことも含まれるとした。ADLはまた、連邦議員が透明性レポートの作成を義務づけ、ドキシング(他人の個人情報をネット上にさらす行為)を法的に禁止すべきだとも述べた。
ヘイトやハラスメントをめぐってこのところ批判されているソーシャルメディアプラットフォームは、Twitterだ。非営利団体のデジタルヘイト対策センター(CCDH)は2022年12月、Elon Musk氏が同年10月に同社を買収して以来、Twitterでのヘイトスピーチが増加し、人種差別的な中傷やLGBTに対するヘイトが急増して、こうしたヘイトを助長するアカウントがフォロワーを増やしていると指摘した。Musk氏はヘイトスピーチが増えているとする主張に異議を唱えたが、Twitterがヘイトスピーチをどのように定義あるいは評価しているかについて、詳細な情報は明らかにしなかった。
ADLのレポート発表と同じ27日、米最高裁判所は、面識のない人物をネット上で脅した男性について、言論の自由によって守られるとの判断を示し、男性に下されていた有罪判決を覆した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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