生成系人工知能(AI)のような新興技術は、職場を変革し、多くの労働者が求める生産性の向上やワークフローの最適化をもたらす可能性がある。しかし、それを実現するには、まず上級幹部がこれらの技術を導入しなければならない。
Ernst & Young(EY)はこのほど、米国の従業員1000人超を対象に、AI/機械学習、拡張現実(AR)/仮想現実(VR)など12種類の新興技術について調査した。
調査に参加した従業員の実に89%が、新興技術の導入は自社に有益だと考えていると答えた。一方で、上級幹部がそれらの技術を取り入れるのが遅いとの回答が59%に上った。
さらに、従業員の52%が、自社が導入を決めるころには、それらの技術が時代遅れになっていると回答している。
「幹部は新たな技術がビジネスを変革する可能性を理解しているが、同時に導入の遅さをめぐる従業員の認識や、取り組みの価値を損ないかねない障壁やリスクも知っておく必要がある」と、EYで米州の新興技術コンサルティングリーダーを務めるFaisal Alam氏は指摘する。
幹部が先進的な新技術をより迅速に採用することを妨げているのは、サイバーセキュリティなどへの懸念だ。
例えば、Apple、Verizon、JPMorgan Chase、Amazonなどの大手企業は、特に人気が高い新興技術の「ChatGPT」について、データプライバシーへの懸念を理由に社内ネットワークからのアクセスを制限している。
新興技術に対する見解の相違は、世代間のギャップにも起因している可能性がある。調査では、Z世代とミレニアル世代の従業員は、上の世代よりもメールの下書きに生成AIを利用する人の割合が高いことが明らかになっている。
またZ世代とミレニアル世代は、上級幹部が新興技術の導入を重視していないと見る人の割合が上の世代より高かった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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